目次
保有銘柄の公開とティッカー(Ticker)コード一覧
毎月月末に集計しているポートフォリオと投資銘柄の1ヶ月騰落率・評価損益について2022年5月の集計結果を紹介します。
この記事は以下のTickerコードを用いて個別銘柄やETFについて触れます。
馴染みがない銘柄は参照ください。
配当金・分配金利回りは配当管理アプリの情報を元に現在価格に対する利回りと、取得単価に対する利回りを算出しています。
筆者の個別株投資方針は、主に連続増配をしていて、米国以外にもグローバル展開している銘柄をセクター分散して長期保有することです。
連続増配株は配当貴族や配当王に指定されている銘柄を中心に保有しています。
以下の表を見ていただくと、取得単価に対する利回りが(YoC;Yield on Cost)、現在価格に対する利回りよりも高くなっている銘柄が多く見られます。
分類 | Ticker | 名称 | 配当・分配金利回り/現在価格 | YoC | S&P格付け | NYダウ | S&P500 | NASDAQ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
個別株_配当貴族 | ADP | オートマチック データ プロセシング | 1.90% | 2.76% | AA | ◯ | ◯ | |
個別株_配当王/配当貴族 | JNJ | ジョンソン & ジョンソン | 2.48% | 3.42% | AAA | ◯ | ◯ | |
個別株_配当王/配当貴族 | KO | コカ-コーラ | 2.60% | 3.86% | A+ | ◯ | ◯ | |
個別株_配当貴族 | MCD | マクドナルド | 2.23% | 3.09% | BBB+ | ◯ | ◯ | |
個別株_配当王/配当貴族 | MMM | スリーエム | 4.43% | 4.34% | A+ | ◯ | ◯ | |
個別株_配当王/配当貴族 | PG | プロクター & ギャンブル | 2.53% | 3.49% | AA- | ◯ | ◯ | |
ETF | QQQ | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET | 0.72% | 0.76% | ||||
個別株_配当貴族 | SPGI | S&P グローバル | 0.99% | 1.04% | - | ◯ | ||
個別株 | V | ビザ A | 0.73% | 0.84% | AA- | ◯ | ◯ | |
ETF | VHT | バンガード 米国ヘルスケア セクター ETF | 1.30% | 1.42% | ||||
ETF | VYM | バンガード 米国高配当株式ETF | 3.28% | 4.78% | ||||
ETF | XLU | 公益事業セレクト セクター SPDR ファンド | 2.98% | 3.45% | ||||
個別株_配当貴族 | XOM | エクソン モービル | 4.05% | 11.92% | AA | ◯ |
配当王・配当貴族銘柄一覧については以下の記事で定期的に更新していますので参考にしてください。

筆者は高配当よりも増配を重視しており、取得時は配当利回りが2%台であっても、長期保有することで連続増配により、高配当化が期待できる銘柄を保有するようにしています。
また、将来累積の配当により、投資元本の損失をある程度回避できそうな長期保有前提の個別銘柄に投資をしています。
イメージとしては以下のような投資方針になります。

また、そのような連続増配銘柄は財務が健全で毎年安定したキャッシュフローを生み出し、株価も長期的に緩やかに上昇しているものがあります。
もし個別株で長期保有できる銘柄を探している場合、以下も参考にしてみてください。
30代サラリーマンの現金比率も含めた全資産のアセットアロケーション
以下は、現金、つみたてNISA、確定拠出年金、個別株等、筆者が保有するあらゆる全ての資産を集計して、その分散割合を算出しています。
米国株は先進国株式に含めており、先進国株式の大半が米国株式です。

アート投資|小口投資で共同保有
先程の円グラフに「絵画」という項目がありますが、筆者は1万円から有名アートのオーナーになれるANDARTというサービスを使っています。
資産性の高いアートをデジタル上でコレクション・売買ができて、絵画の繊細な管理などもすべてANDARTにお任せできます。

アート作品を共同保有で小口投資できるようにすることで、アートを一部の富裕層だけではなく、我々庶民にとっても身近なものにしようとしています。
以下の記事で筆者が保有しているアート作品ポートフォリオと、その価格推移の状況を定期的に更新していますので興味のある方は参考にしてください。

保有銘柄(ドル建て資産のみ)
2022年5月のドル建て資産分散状況は以下になります。
筆者はつみたてNISA等円建てではインデックス投資を行っていますので、ドル建てでは分配金や配当金も狙ったアクティブ投資を行っています(ポートフォリオ全体の分配金・配当金利回りは以下を参照)。

ドル建てポートフォリオ全体の分配金・配当金利回り | |
---|---|
評価額に対して | 1.91% |
取得額に対して(YoC) | 2.40% |
円建てとドル建てで、投資目的を区別しています。
もちろん通貨を分散するという目的もあります。
そのため、円建ての投資信託でも低信託報酬で投資できるインデックス(例えば全世界株式やS&P500インデックスなど)という形ではドル建て資産に組み込んでいません。
上の結果だけを見ると万人にとっては最適解なポートフォリオではないかもしれませんが、一応上記背景があるということを念頭に読み進めていただきたいです。
ドル建て資産は相場を見て毎月買い付ける銘柄を変更しています。
配当金が入った際は、その再投資も相場を見て買い付ける銘柄を変更しています。
XLU(公益事業セレクト セクターSPDR ファンド)は銘柄を分散しつつ、高配当で長期的に増配が期待できる投資先として選んでいます。
米国の公益セクターに投資をするなら、VPU(バンガード 米国公益事業セクター ETF)と迷う方がいるかも知れません。
以下の記事でまとめていますので興味がある方は参考にしてください。

公益セクターETFの構成銘柄には電力会社が多く、最近見られる原油や天然ガスなど資源価格の値上がりを比較的価格転嫁しやすいセクターでもあります。
値上がりをしても、電気や水道を止めるわけにはいきません。
そのため、ここ最近のインフレ下でも比較的底堅い値動きをしています。
VHTはETFで銘柄を分散しつつ、S&P500よりも運用成績を上回ることが期待できる投資先として投資しています。
VHTの大きな割合を占めている医療機器セクターはS&P500を大きくアウトパフォームしており、医療×IT分野で価値を提供するヘルステック企業は今後の成長も期待できます。
また、VHT全体の値動きでも長期ではS&P500よりも運用成績が良かったのが過去の結果になります。
これらの情報について詳しくは以下の記事で解説していますので参考にしてください。

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長期保有個別株とセクターの分散状況
以下が個別株とセクターの分散状況です。

筆者の個別株投資方針は、主に連続増配をしていて、米国以外にもグローバル展開している銘柄をセクター分散して長期保有することです。
連続増配株は配当貴族や配当王に指定されている銘柄を中心に保有しています。
配当王・配当貴族銘柄一覧については以下の記事で定期的に更新していますので参考にしてください。

また、プロが選ぶ長期保有銘柄については以下の無料インカムレポートも参考にしてみてください。
この記事ではGICSのセクター分類に基づいて個別株のセクターを分けています。
保有個別銘柄の中でもオートマチック データ プロセシング(ADP)やVISA(V)、 S&P グローバル(SPGI)は分類されているセクターが情報サイト毎に全然違う結果でした(以下の記事を参照)。

これらの企業はセクターをまたがるような事業展開をしていますので、当ブログではどのセクターETFに組み込まれているかを調べ、セクター分類の目安にしています。
ADPは情報技術セクター 、 SPGIは金融セクター、 Vは情報技術セクターとして扱います。
セクター分類については上の記事も参考にしてください。
ドル建ての個別株及びETFの 1ヶ月騰落率
以下はドル建て保有銘柄の1ヶ月騰落率及び年初来騰落率です。
年明けから軟調な株価で半分以上の銘柄が年初の価格まで戻っていません。

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ドル建ての株及びETFの評価損益
ドル建て保有銘柄の取得金額に対する評価損益を示しています。
まだ年初来の価格まで戻していない銘柄が半分ぐらいありますが、円換算では全ての銘柄で含み益の状態にあります。
これは、ここ最近の急激な円安によるところも大きいです。

XOMはトリプルバーカーを達成しています。
コロナショックで投資をして、買い持ちしているだけのXOMが取得金額に対して7.5%の超高配当利回りになっています。
また、買い持ちをし続けることで、累積で投資元本の10%以上を既に配当だけで回収できている状態です。
増配記録を更新し続ける限り、取得単価に対して毎年7.5%の利回りが期待できる銘柄は中々ありません。
キャピタルゲインは見通すことが難しいですが、配当の維持や増配は、方針として掲げている米国企業なら達成される可能性が高いです。
優良銘柄を長期保有することで、高配当化を狙う戦略について、以下の記事で紹介していますので参考にしてください。

総じて米国高配当株ETFのVYMやエネルギー株のXOMなど、コロナショックの時にたくさん買い付けた名柄の評価益率が高くなっています。
1ヶ月の騰落率を振り返ると、先月とは違った景色に見えることも多いですし、日々の値動きでは見逃していたようなトレンドを発見することがあります。
引き続き定期的なポートフォリオマネジメントをしていきたいと思います。
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ポートフォリオの期待リターンとリスク
ポートフォリオの管理のために、保有しているドル建て銘柄の期待リターンとリスクを算出しました。
自分のポートフォリオはどれくらいの期待収益率なのか、振れ幅がどれくらいあるものなのか、効果的な分散になっているかどうかを把握することは長期資産形成をする上でも重要ではないでしょうか。
PORTFOLIO VISUALIZERのBacktestを用いて、以下のポートフォリオのリスクとリターンを算出しました。
以下の割合でETFや個別株を保有し続け、年1回リバランスを行ったと仮定して、1年前あるいは10年前から保有し続けた場合、どれぐらいのリスクとリターンになっているのかを算出しました。

当然、切り取る時期によってリスクーリターンの結果は大きく異なってくる点は注意が必要です。
以下はETF、個別株、ドル建て資産全体(ETF+個別株9種)を散布図上にプロットしております。
ドル建ての資産としては保有していないですが、基準としてS&P500指数に連動するETFで最も時価総額が大きなSPYも散布図に加えました。
まずは過去1年 (May 2021 – Apr 2022)の結果です。

今年に入ってから、XOMが株価を伸ばしていますので、保有銘柄の中でもこの1年は圧倒的なリターンとなっています。
次に過去10年(May2012 – Apr 2022)の結果です。
SPYと期待リターンが同等でリスクが抑えられているという結果でした。

ヘルスケアセクター(VHT)については、ここ1年はS&P500に及びませんでしたが、過去10年という時間軸で見るとS&P500をわずかに上回る成績となっています。
VHTとQQQはS&P500の成績を上回ることを期待した投資先として選んでいます。
個別銘柄単独で保有するよりも、ドル建て資産全体のポートフォリオの方がリスクが抑えられていることが分かります。
個別株は全て連続増配当株ですが、その中でも配当利回りが低い、VやSPGIがこの10年間で大きく値上がりしていることが分かります。
ポートフォリオのリスク評価
以下は先程紹介した円グラフの割合でETFや個別株を保有し続け、年1回リバランスを行ったと仮定して、10年前から現在まで(May2012 – Apr 2022)の$10,000の元本の成長を示しています。
インフレ調整はしていません。
青のPortfolio1が筆者のドル建て資産ポートフォリオ(オリジナル)、赤のPortfolio2がS&P500ETFのSPYを示しています。
PORTFOLIO VISUALIZERのBacktestを用いて算出しました。

先月末までの結果にはなりますが、2022年になってからの下落も、ポートフォリオ全体では-6.62%とS&P500の-12.99%よりも抑えられています。

標準偏差や年次・月次の最大下落率を見るとS&P500程大きくダメージを受けることはないということが分かります。
Portfolio | 元本(Jan 2012) | 評価額(現在) |
---|---|---|
オリジナル | $10,000 | $36,675 |
SPY | $10,000 | $35654 |
Portfolio | CAGR | 標準偏差 | 最大 上昇率 (年次) | 最大 下落率 (年次) | 最大 下落率 (月次) | シャープレシオ |
---|---|---|---|---|---|---|
オリジナル | 13.88% | 11.76% | 31.81% | -6.62% | -17.63% | 1.12 |
SPY | 13.56% | 13.56% | 32.31% | -12.99% | -19.43% | 0.96 |
ただ、オリジナルポートフォリオでも月次にすると最大20%近くの下落はあり得ることが分かります。
先月までの結果にはなりますが、年次での下落率はこの10年では今の所、今年が一番大きな下落率となっております。
想定される最大下落率が分かっているだけでも、覚悟ができて、いざ暴落した時の心構えが多少はできるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。
期間が変われば銘柄毎のリスクとリターンの位置づけも変わりますし、過去の成績ですので、未来が同じ様な値動きになることを保証するものではありません。
短期~中期的に保有数を増やす銘柄や、新たに追加する銘柄・取り除く銘柄も今後出てくるかもしれません。
過度にリスクを取りすぎていないか等をモニタリングするためにも、定期的にアップデートしていきたいと思います。
今回の内容が参考になれば幸いです。
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