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バンガード米国トータル債券市場ETF(BND)について
リーマンショックやコロナショックのように株価が暴落した時に現金を確保し、株の買い増しができるようにドルで分配金をもらいながら米国の債券ETFのBNDを長期で積み立てるという戦略をとっている方もいるかもしれません。
BNDのファンド概要は以下のようになっています。
バンガード・米国トータル債券市場ETF(Vanguard Total Bond Market Index Fund ETF)は市場加重型債券指数(market-weighted bond index)は、米国の投資適格債券市場全体を投資対象とし、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックス(同インデックス)に連動する投資成果を目指す。同インデックスは米国における残存期間1年超の投資適格 課税対象債券市場(米国債、社債、米国以外の米ドル建て債券、モーゲージ債及びアセットバック証券など)のパフォーマンスを表す。
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今回はこのバンガード米国トータル債券市場ETF(BND)について、米国の短・中・長期債券の中でどの値動きに近いのかを検証します。
BNDは米国債券ETFですが、必ずしも100%国債で構成されているわけではなく、一定割合社債も含まれています。
以下は赤がバンガード米国トータル債券市場ETFのBND、緑がS&P 500に連動するSPDR S&P 500 ETF トラストのSPYを示しています。
2020年3月の暴落時(コロナショック)にはさすがのBNDでも一時的には下落をしましたが、SPYと比較しても下落が小さく、回復が早いことが分かります。

米国の短・中・長期債券ETFのBSV、BIV、BLV
次に米国の短・中・長期債券ETFのBSV、BIV、BLVについて紹介します。
バンガード 米国短期債券 ETF(BSV)のファンド概要は以下のようになっています。
バンガード・米国短期債券ETF(VANGUARD SHORT-TERM BOND ETF)は、バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(1-5年)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。米国の短期投資適格債券市場への分散したエクスポージャーを提供する。このインデックスは、残存期間が1~5年の米国債、政府機関債、投資適格(ムーディーズによる格付がBaa3以上)の社債および米国外の発行体による米ドル建て債券を含む指数である。
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バンガード 米国中期債券 ETF(BIV)のファンド概要は以下のようになっています。
バンガード・米国中期債券ETF(VANGUARD INTERMEDIATE-TERM BOND ETF)は、バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(5-10年)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。米国の中期投資適格債券市場への分散したエクスポージャーを提供する。このインデックスは、残存期間が5~10年の米国債、政府機関債、投資適格(ムーディーズによる格付がBaa3以上)の社債および米国外の発行体による米ドル建て債券を含む指数である。
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バンガード バンガード 米国長期債券 ETF(BLV)のファンド概要は以下のようになっています。
バンガード・米国長期債券ETF(VANGUARD LONG-TERM BOND ETF)は、バークレイズ米国政府/クレジット浮動調整(10年超)インデックスのパフォーマンスへの連動を目指す。米国の長期投資適格債券市場への分散したエクスポージャーを提供する。このインデックスは、残存期間が10年超の米国債、政府機関債、社債および米国政府が保証する米国外の発行体による米ドル建て債券のパフォーマンスを測定する指数である。
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長期債券ほど分配利回りが高い
次にトータル債券のBND、短期債券のBSV、中期債券のBIV、長期期債券のBLVのETF情報を比較します。
米国トータル債券市場 | 米国短期債券 ETF | 米国中期債券 ETF | 米国長期債券ETF | |
---|---|---|---|---|
ティッカー | BND | BSV | BIV | BLV |
設定日 | 2007/4/3 | 2007/4/3 | 2007/4/3 | 2007/4/3 |
基準価格 | 71.02 (2023/09/13) | 75.30 (2023/09/13) | 73.52 (2023/09/13) | 70.13 (2023/09/13) |
純資産総額 (百万米ドル) | 95,314.55 (2023/08/31) | 33,443.51 (2023/08/31) | 15,562.5 (2023/08/31) | 5,525.52 (2023/08/31) |
分配利回り | 2.98 % | 2.13 % | 2.91 % | 4.25 % |
経費率 | 0.03 % | 0.04% | 0.04% | 0.04% |
設定日は全て同じになっています。
純資産額はBNDが最も高く、残りの債券ETFは残存期間が長い債券ETF程純資産額が大きくなっています。
債券ETFは基本的に長期の債券程、貸し倒れのリスクが高まりますので、利回りも高くなっています。
さすがに同じバンガードのETFということもあり、経費率はいずれもかなり良心的になっています。
長期債券ほど値動きが大きい
トータル債券のBND、短期債券のBSV、中期債券のBIV、長期期債券のBLVの値動きの違いは以下のようになっています。
BNDが赤色、BSVが一番濃い青色、BIVが青色、BLVが水色になります。
債券ETFの場合、長期債券程、分配利回りに加え値動きが大きくなることが分かります。
債券は長期になるほど金利変動の影響を受ける期間が長いため、金利変動に伴う債券価格の変動が大きくなります。
また長期の債券ほど、償還までに受け取る利子が多くなりますので価格が高くなります。
つまり、債券価格は償還期間の長さと市場金利で決まります。
米国トータル債券市場ETFのBNDは米国の短・中・長期債券のうちどれに近いかという今回のお題に対しては、米国の短期債券と中期債券の間に位置するような値動きと利回りであることが分かります。
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BNDの残存期間別構成比率
BNDは米国の短債券(残存期間1~5年)と中期債券(残存期間5~10年)の間に位置するような値動きと分配利回りでした。
BNDの残存期間別構成比率を見てみましょう。
残存期間1~5年の短期債券が半分近くを占めており、次に大きな構成比率の中期債券(残存期間5~10年)と合わせると、構成比率の7割以上を占めています。
BNDの発行体別構成比率
BNDの発行体別構成比率は以下のようになっています。
注意点としてはBNDは国債だけではなく社債 にも分散投資をしています。
ただし発行体の6割以上は、国や政府機関になります。
BNDの格付別構成比率
BNDの格付別構成比率は以下のようになっています。
NRはどの格付けにも分類できない証券です。
債券格付はムーディーズ(Moody’s)とスタンダード&プアーズ(Standard & Poors)のうち高い方の格付けを採用しています。
いかがでしたでしょうか。
BNDは米国トータル債券市場ETFで色々な残存期間や発行体・格付の債券が含まれておりますので、その中身がどの様になっていて、ボラティリティとしてどれくらいの残存期間の債券に近いのか気になりましたので、調べてみました。
今回の内容が参考になれば幸いです。
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