新興国をどう組み込むべきか悩む・・・

筆者は現在、インデックス投資は円建てで全世界株に投資しています。

ドル建てでは連続増配個別株、VYM、QQQなどに投資しています。

さらに、全世界株のインデックス投資でも新興国は含まれていますが、ドル建てでも今後労働生産人口の増加が見込まれ、世界経済でも存在感を増してくるインド、インドネシア、アフリカのカントリーETFに投資をしています。
ただし何れも、ポートフォリオに占める割合は最低レベルになっています。

筆者は現在、新興国投資について以下の4つの案で迷っており、投資方針の変更を考えています。

①カントリーETF投資をやめる案

全世界株のインデックス投資に新興国が含まれているので、個別にインド、インドネシア、アフリカなどのカントリーETFに投資をしなくても良いという案です。
以下のチャートは青が米国株式市場全体、オレンジが新興国、水色が全世界株式市場全体を示しています。
将来が同じような傾向になるとも限りませんが過去を振り返ると、新興国株式は米国株式と比較してリターンが良かった時期があればそうでもない時期もあります。
これは切り取る時代によって結構見え方が違ってきます。
また、経済成長率と株式のリターンには逆相関にあるというデータも存在します。※1
そのため仮に新興国のリターンが米国株と比較して良くなかったとしても、米国株の比率が大きな全世界株であれば、どちらに転んでも大きく損をすることがない選択肢となるような気もしています。

※1 Stocks for the Long Run(New York:McGraw-Hill,1988),Figures 9-2,130.

【拡大できます】TradingView

次の②と③は、常に米国が新興国をアウトパフォームしていたわけではないため、時期によっては新興国株式のリターンの恩恵を受けるために分けて保有しておくべきという案です。
実際、上のチャートのように2000年代は新興国のパフォーマンスが米国よりも優れていました。
一方で2010年代は新興国があまり伸びておらず、米国の方が伸びています。

また、全世界株式はほぼ米国株と似たような動きをしていますので、より分散効果を求めるのであれば分けて保有するのも選択肢になりうると思います。

②低コストのVWOに投資を切り替える案

個別の国に投資をするETFは割高なコストなため、VWOの1本を投資するだけで良いような気もします。
今後、これらの国の成長はVWOを保有しているだけでも恩恵を受けることができ、全世界株として保有するよりも大きな恩恵を受けることができます。
相場をコントロールすることはできないので、せめて信託報酬は最安のものを選び、コスト負けをしない戦略を取るべきではないかとも感じています。

新興国ETF経費率
バンガード FTSEエマージングマーケッツETF(VWO)0.10 %
ウィズダムツリー インド株収益ファンド(EPI)0.83 %
 iシェアーズ MSCI インドネシア ETF(EIDO)0.59 %
ヴァンエック ベクトル アフリカ ETF(AFK)0.78 %
筆者が保有しているカントリーETFとVWOの経費率の比較

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③カントリーETF投資(現状維持案)

国によってリターンが良い時期は異なりますので、国毎に投資を行い、時期別、投資対象国別の恩恵を受ける戦略です。
また、VWOは中国や台湾の比率が大きいため、人口増加国の恩恵が減弱されてしまう可能性もあります。
これらの理由から、国を分けて投資をするするのがこれまで行ってきた戦略です。

VWOファクトシート

④米国以外に丸ごと投資するETFに切り替える案

今の所この案が筆者の中では一番有力です。
筆者はコモディティを除きドル建て資産はほぼ米国株に集中しているので、米国以外の新興国を含めた株式市場に投資をするVXUSやVEUなども検討しています。
VXUSについては以下の記事も参考にしてください。

【VXUS vs VEU】Vanguard(バンガード)の米国を除く全世界株ETF


これらのETFには新興国以外にも、日本やヨーロッパなどの米国を除く先進国が含まれています。
VXUSとVEUの違いはVXUSは大型株・中型株・小型株を対象としており、VEUは大型株・中型株が対象です。
VXUS=VT-VTIと考えれば良いです。
以下のチャートは青が米国株式市場全体(VTI)、オレンジがVEU、緑がVXUSを示しています。

【拡大できます】TradingView

VXUSの方がより分散がされていますが、チャートのようにリターンに大きな違いはありませんし、経費率も良心的で違いはありません。
何れもSBI証券や楽天証券で購入することが可能です。

米国を除く先進国+新興国ETF経費率
バンガード・トータル・インターナショナル・ストック(除く米国) ETF(VXUS)0.08 %
バンガードFTSEオールワールド(除く米国) ETF(VEU)0.08 %

ただしチャートを見ていただいて分かる通り、これまでのリターンは米国株式市場全体と比較して大きく劣る結果となっています。
これまで全世界株の成長は米国株が牽引してきたと言っても過言ではありません
今後、米国以外の株式市場において新興国の存在が大きくなってきた時に、どのようなリターンになるのか楽しみです。

思いつく限りのメリット・デメリットを挙げてみましたが、他にどういったことが考えられるでしょうか。

どれが正解かは未来になってみないとわからないと思いますが、皆さんはどのような戦略で新興国株をポートフォリオに組み入れていますか?
既に記載したとおり、新興国のリターンが米国を上回る時期と米国が新興国を上回る時期があり、サイクルのようになっています。
そろそろ新興国が米国株のリターンを上回るサイクルに入ってくるのではないかとも言われていますので、新興国の投資について見直してみました。

何れの案であってもコアは米国株であり、新興国株投資はサテライトの位置づけになります。
筆者自身も今一度整理をして、来月のポートフォリオの記事で検討結果を反映したいと思います。

今回の内容が参考になれば幸いです。

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