【2021年4月】ETFの構成銘柄数・構成比率のオーバーラップ

はじめに

全世界株に投資をするのか、全米株式あるいはS&P500に投資をするのかについては好みが分かれるところではないでしょうか。

現状全世界株式に投資をしても米国株が大きな構成比率を占めるので、米国株をコアにする戦略で良いのではという意見もあります。

分散効果を求めるのであれば、できるだけ違う値動きのものを組み合わせた方が良いですが、ETF同士の重複が大きいと似た値動きになってしまいます。

そこで今回はETF Research CenterのFund Overlapから主要なETFと筆者が保有しているいくつかETFについて重複状況をまとめましたので紹介します。

今回は以下の2つの視点で結果をまとめました。

銘柄数として何%重複しているか

例)
100銘柄で構成されているETFのうち40銘柄が比較対象ETFの投資対象と重複している場合、40%が投資対象と重複しているものとして集計

構成比率として何%重複しているか

例)
100銘柄で構成されているETFの60%の構成比率を占めている40銘柄が比較対象ETFの投資対象と重複している場合、60%が比較対象ETFと重複しているものとして集計

スポンサーリンク

結果

以下が結果です。

①銘柄数として何%重複しているか

縦に並べたティッカーが分母、横に並べたティッカーと分母のティッカーの重複銘柄数が分子になります。
例えばNYダウETFのDIAの構成銘柄を分母で、全米株式VTIとDIAの重複銘柄数を分子にすると100%になります。
DIAを構成している銘柄数の100%がVTIに含まれているということになります。

②構成比率として何%重複しているか

縦に並べたティッカーが分母、横に並べたティッカーと分母のティッカーの重複銘柄が分子になります。
例えばNYダウETFのDIAの構成銘柄を分母で、全米株式VTIとDIAの重複銘柄を分子にすると100%になります。
DIAの構成比率100%部分がVTIに含まれているということになります。

スポンサーリンク

ここからは注目した結果をいくつか挙げます。

VTとVTI

VTに投資をしておけばVTIの構成銘柄もほぼ網羅できるだろうと思っていましたが、VTIの構成銘柄数の半分程度しかVTに含まれておりませんでした。
米国株の中でもDow(DIA)やS&P500(SPY)、NASDAQ100(QQQ)まで絞り込むとほぼ100%の組入銘柄数が全世界株(VT)に含まれることになります。

組入銘柄数で見るとVTIの半分程度しかVTに含まれていませんでしたが、構成割合を見ると、このVTIの組入銘柄数の半分程度を占めるVTとの重複構成銘柄がVTIの80%もの構成比率を占めており、VTを分母にしても44%を占めていることが分かります。

VTとSPY

VTの構成銘柄数のうち21%がVTI、6%がSPYにも組み込まれているという結果でした。
しかし、VTの構成比率に占める割合を見ると、VTIは44%、SPYは43%という結果でした。
組入銘柄数以上に米国株がVTの構成比率に占める割合が大きく、中でもその殆どがS&P500組入銘柄の比重の大きさによるものだと分かります。

VTとVXUS

VTの構成銘柄数のうち72%が米国を除く全世界株のVXUSを構成している銘柄でしたが、VTの構成比率に占める割合を見ると20%となっており、やはり米国株が銘柄数の割に大きな構成比率を占めていることが分かります。

高配当ETF

組入銘柄数で見ると、HDVやSPYDで投資しているものの8割以上はVYMでも投資をしていることが分かります。

同じ高配当ETFでもHDVとSPYDでは組入銘柄数の重複が2割程度となっており、投資対象がある程度異なっておりますので、高配当投資家の好みが分かれるところかもしれません。

SPYと高配当ETF

SPYDはS&P500の構成銘柄のうち高配当銘柄を選んでいるため、その全銘柄がSPYに含まれていて当然かと思います。

残り2つの高配当ETFは思ったよりもS&P500銘柄に入っていない銘柄も多く組み込まれていることが分かりました。

特にVYMの構成銘柄のうちは半分以上がS&P500銘柄に入っていない銘柄でした。

VXUSとVWO

組入銘柄数で見ると、VXUSの組入銘柄数に占めるVWO構成銘柄の割合は43%と半分近くになりますが、VXUSの構成比率に占める割合は8%に留まっています。

しかし、今後も中国やインドなどの新興国が世界経済での存在感が増してくることが想像されますので、構成比率が今後どの様になってくるのか注視する必要があります。

今回紹介したETFは時価総額加重平均で構成されているものも多く、また銘柄構成も定期的に入れ替えが行われます。

今回紹介した結果はあくまでもブログ執筆時点のものであり、今後も必ず変わってきます。

当ブログでも定期的に情報を更新していきたいと思います。

今回の内容が参考になれば幸いです。

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA