目次
はじめに
全世界株に投資をするのか、全米株式あるいはS&P500に投資をするのかについては好みが分かれるところではないでしょうか。
現状全世界株式に投資をしても米国株が大きな構成比率を占めるので、米国株をコアにする戦略で良いのではという意見もあります。
分散効果を求めるのであれば、できるだけ違う値動きのものを組み合わせた方が良いですが、ETF同士の重複が大きいと似た値動きになってしまいます。
そこで今回はETF Research CenterのFund Overlapから主要なETFと筆者が保有しているいくつかETFについて重複状況をまとめましたので紹介します。
今回は以下の2つの視点で結果をまとめました。
①銘柄数として何%重複しているか
例)
100銘柄で構成されているETFのうち40銘柄が比較対象ETFの投資対象と重複している場合、40%が投資対象と重複しているものとして集計
②構成比率として何%重複しているか
例)
100銘柄で構成されているETFの60%の構成比率を占めている40銘柄が比較対象ETFの投資対象と重複している場合、60%が比較対象ETFと重複しているものとして集計
ETF Research CenterのFund OverlapでもOverlap割合を出すことができますが、当ブログでは上記の定義で重複銘柄割合を算出しています。
次の結果の見方も参考にしてください。
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結果
以下が結果です。
①銘柄数として何%重複しているか

結果の見方は次のようになります。
例えば全米株式ETFのVTIとS&P500ETFのSPYの重複銘柄数がVTIの構成銘柄数に占める割合を求めると14%になります。
VTIの構成銘柄数の14%がSPYの組入銘柄ということになります。

②構成比率として何%重複しているか

結果の見方は次のようになります。
例えば全米株式ETFのVTIとS&P500ETFのSPYの重複銘柄がVTIの構成比率に占める割合を求めると79%になります。
VTIの構成比率の79%部分がSPYに含まれているということになります。

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ここからは注目した結果をいくつか挙げます。
VTとVTI
VTに投資をしておけばVTIの構成銘柄もほぼ網羅できるだろうと思っていましたが、VTIの構成銘柄数の半分程度しかVTに含まれておりませんでした。
米国株の中でもDow(DIA)やS&P500(SPY)、NASDAQ100(QQQ)まで絞り込むとほぼ100%の組入銘柄数が全世界株(VT)に含まれることになります。
組入銘柄数で見るとVTIの半分程度しかVTに含まれていませんでしたが、構成割合を見ると、このVTIの組入銘柄数の半分程度を占めるVTとの重複構成銘柄がVTIの80%もの構成比率を占めており、VTを分母にしても44%を占めていることが分かります。
VTとSPY
VTの構成銘柄数のうち19%がVTI、6%がSPYにも組み込まれているという結果でした。
しかし、VTの構成比率に占める割合を見ると、VTIは44%、SPYは43%という結果でした。
組入銘柄数以上に米国株がVTの構成比率に占める割合が大きく、中でもその殆どがS&P500組入銘柄であることが分かります。
VTとVXUS
VTの構成銘柄数のうち69%が米国を除く全世界株のVXUSを構成している銘柄でしたが、VTの構成比率に占める割合を見ると20%となっており、やはり米国株が銘柄数の割に大きな構成比率を占めていることが分かります。
高配当ETF
組入銘柄数で見ると、HDVやSPYDで投資しているものの8割以上はVYMでも投資をしていることが分かります。
HDVの構成銘柄はほぼ100%VYMに含まれており、SPYDは2割ほどVYMとは異なる銘柄にも投資をしていることが分かります。
同じ高配当ETFでもHDVとSPYDでは組入銘柄数の重複が4割以下となっており、投資対象がある程度異なっておりますので、高配当投資家の好みが分かれるところかもしれません。
SPYと高配当ETF
SPYDはS&P500の構成銘柄のうち高配当銘柄を選んでいるため、その全銘柄がSPYに含まれていて当然かと思います。
残り2つの高配当ETFは思ったよりもS&P500銘柄に入っていない銘柄も多く組み込まれていることが分かりました。
特にVYMの構成銘柄のうち半分以上がS&P500銘柄に入っていない銘柄でした。
しかし興味深いことに、構成比率で見るとVYM、HDV共にS&P500構成銘柄が、それぞれのETFの構成比率の9割以上を占めていることが分かります。
VXUSとVWO
組入銘柄数で見ると、VXUSの組入銘柄数に占めるVWO構成銘柄の割合は35%となりますが、VXUSの構成比率に占める割合は13%に留まっています。
しかし、今後も中国やインドなどの新興国が世界経済での存在感が増してくることが想像されますので、構成比率がどの様になってくるのか注視する必要があります。
今回紹介したETFは時価総額加重平均で構成されているものも多く、また銘柄構成も定期的に入れ替えが行われます。
今回紹介した結果はあくまでもブログ執筆時点のものであり、今後も必ず変わってきます。
当ブログでも定期的に情報を更新していきたいと思います。
今回の内容が参考になれば幸いです。
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