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ドル建ての個別株とETF
ETFに加えて1株単価が高い個別株にも投資をする場合、ポートフォリオ全体のバランスが崩れてしまうことがあります。
以下は筆者のドル建て資産のポートフォリオになりますが、ETFの割合を大きくして特定の個別株のリスクに引っ張られないように意識しています。

筆者の保有銘柄一覧とTickerコード一覧については以下の記事を参考にしてください。
ドル建て資産のセクター比率
ETFのセクター比率を分解して、さらに個別株のセクターを足し合わせると、ドル建て資産全体で以下のようなセクター別比率になりました。
1株単価が高い個別株の割合を増やしすぎると、特定のセクター割合が大きくアンバランスになってしまいがちです。
投資する個別株もセクターを分散させたほうが良いでしょう。
GICSのセクター分類では11のセクターに分けられます。
筆者のドル建て資産ポートフォリオでは、不動産セクターが含まれておらず、素材やコミュニケーションサービスなどのセクターの割合が低くなっています。
ポートフォリオに一部のセクターが含まれていないことがどの程度問題になるでしょうか?
アセットアロケーションの最適化(パンローリング)では11セクターのうち6セクター減らすまではパフォーマンスがほとんど変わらないということが示されています。
ただし、4セクター以下になると分散が減少するためリターンが減少することを示しています。

ドル建資産全体の組入上位銘柄
特定の個別株のリスクに引っ張られないように意識していると書きましたが、実際にそのようになっているかどうか管理をしています。
以下がドル建て資産全体のポートフォリオのうち組入上位銘柄になります。
個別株投資をしている時点でその銘柄は、ポートフォリオ全体から見た組入上位銘柄に入ってしまいがちです。
筆者のポートフォリオの例では、個別株としても投資をしており、VYMやVHTの上位銘柄としても含まれているJNJの割合が一番大きくなっています。
一方、個別株としては保有していませんが、APPLやMSFTはそれぞれVUGの10%以上の構成比率を占めていますので、筆者のポートフォリオの中でも上位銘柄に入ってきています。
意図的であればいいのですが、自分が保有しているETFにどのような銘柄がどれくらいの割合含まれているかを知らずに、特定の個別株の保有割合を何も考えずに増やすと、知らぬ間に特定の個別株に強く影響を受けるようなポートフォリオになってしまいます。
尚、筆者の場合は定期的に管理して今の状態になっています。
ポートフォリオのリスク評価
今のポートフォリオでETFや個別株を保有し続け、年1回リバランスを行ったと仮定して、7年前から現在まで(Nov 2015 – Apr 2023)の$10,000の元本の成長を検証してみました。
インフレ調整はしていません。
青のPortfolio1が筆者のドル建て資産ポートフォリオ(オリジナル)、赤のPortfolio2がS&P500ETFのSPYを示しています。
PORTFOLIO VISUALIZERのBacktestを用いて算出しました。

2022年は年間を通してS&P500は大きく下落しました。
ポートフォリオ全体では-3.70%とS&P500の-18.17%よりも抑えられています。

標準偏差や年次・月次の最大下落率を見るとS&P500程大きくダメージを受けることはないということが分かります。
Portfolio | 元本(Feb 2013) | 評価額(現在) |
---|---|---|
オリジナル | $10,000 | $21,670 |
SPY | $10,000 | $22,927 |
Portfolio | CAGR | 標準偏差 | 最大上昇率 (年次) | 最大下落率 (年次) | 最大下落率 (月次) | シャープレシオ |
---|---|---|---|---|---|---|
オリジナル | 10.86% | 10.86% | 25.47% | -3.70% | -19.99% | 0.73 |
SPY | 11.70% | 11.70% | 31.22% | -18.17% | -23.93% | 0.7 |
ただ、オリジナルポートフォリオでも月次にすると最大20%近くの下落はあり得ることが分かります。
想定される最大下落率が分かっているだけでも、覚悟ができて、いざ暴落した時の心構えが多少はできるかもしれません。
尚、期間が変われば銘柄毎のリスクとリターンの位置づけも変わりますし、過去の成績ですので、未来が同じ様な値動きになることを保証するものではありません。
過度にリスクを取りすぎていないか等をモニタリングするためにも、定期的にアップデートしていきたいと思います。
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