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本を手に取ったきっかけ・感想
中学受験は本当に子供にとって必要なのか?
多くの親が注目しがちな、偏差値や卒業生の大学進学実績以外で、中学受験をする意義は何なのかを見つめ直すために手に取った本です。
今回はおおたとしまささん、安浪 京子さんの著書、「中学受験の親たちへ」を解説します。
- 偏差値や進学実績以外の学校選びに興味がある人
- 中学受験をする子どもの親
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
ここからは個人的に、人生に取り入れようと感じた、文脈や文意をいくつか紹介していきます。
短期よりも長期目線
何のためにわざわざ中学受験するのかについて本書で印象に残ったのが、「何ができるようになるか」ではなく「どういう人になるべきか」、「To do」 より 「To be」になります。
社会の荒波の中で、経済活動をしている親の目線だとどうしても、「グローバル」や「ICT」などの旬のキーワードや、進学実績やどのようなスキルが身につけられるのかということを気にしてしまいがちです。
しかし、本書では旬の“ニーズ”をとらえた見た目に派手な教育をアピールするクリスマスツリーのような学校ではなくて、見た目は地味でもしっかりと大地に根を張り、根から吸いとった養分が枝葉の末端まで行き届いていることが感じられる学校を見極めるのが親の役割だと述べられています。
これは、私も最初陥っていた思考ですが、教育の目的は優秀なビジネスマンを育てることではありません。
なので経済競争の文脈で使われる「グローバル」には踊らされるべきではないと述べられています。
では、大地に根を張った樹木のような学校をどのように選ぶべきでしょうか。
私立の学校にはことごとく建学の精神および教育理念があります。
冒頭に挙げた「人としてどうあるべきか」を説く教えです。
これは時代を経ても変わりません。
我が子に合った、各学校がもつ文化を継承させるためには中学受験をする必要があります。
なので、中学受験の学校選びをする前に、親として我が子にどのような人になってもらいたいのか、どのような生き方をしてもらいたいのか。
小学生ではなかなかそこまで先に考えている子をあまり見たことがありませんが、本人はどのような人物像を目指し、どのような生き方を目指しているのか、よく見つめ直す必要があると感じました。
青春時代のゆとりが自分の興味や関心を深める
都立中高一貫校で、中学から入った生徒と高校から入った生徒を比較したデータによると、中学入学者のほうが学業だけでなく、各種大会・コンクールなど課外活動でも高い成果を出していることがわかりました。
中学からと高校からでは入ってくる学生では、学力層がちがうことも大きいです。
一方で、高校受験がない「ゆとり」が思春期を豊かにしてくれるという側面があるのではないかと筆者は考えています。
私は中学受験をしていませんが、中学校から高校にかけて、何か6年間を通して取り組み続けた経験が私にはありませんでした。
高校受験は大きなイベントでしたので、そのような心と時間のゆとりもなかったように振り返っています。
私自身は大人になって、進路を選択する際に何がやりたいのか分からないという状況に陥っていましたが、これからの時代は特に、青春時代のゆとりがあるときに、自分の興味や関心があることに取り組めていることが大事なのではないかと考えています。