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本を手に取ったきっかけ・目的
私は半年近く前と比較して10kgの減量に成功しました。
20代半ばの体型に戻った状態を現在も維持しています。
私が取り入れた習慣が16時間ファスティングです。
私自身は1日3食の規則正しい食生活、特に朝食はとったほうがいいと言われ、育てられてきました。
しかし、ファスティングを推奨している本を何冊か読みましたが、少なくとも体が成長した大人については、これまでの常識が覆るような内容が、共通して書かれていました。
今回はその中の一つ、内海 聡さんの著書、「1日3食をやめなさい!」について紹介します。
- ファスティング(断食)に興味がある人
- ダイエットをしたい人
- 生活習慣病予備軍の人
- 代謝が落ちてきたと感じる人
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
ここからは個人的に、人生に取り入れようと感じた、文脈や文意をいくつか紹介していきます。
体は空腹に感じた時が、もっとも活動するのに適した状態
空腹感とは「いますぐ食べ物をくれ」というサインではなく、「エネルギー補充完了」、つまり「活動する準備が整いました」というサインのようです。
本書では人類が狩猟採集をしていた時代について書かれていますが、この時代の人類の生活習慣と体をイメージすると理解しやすいです。
狩猟採集時代は食べる→消化・吸収→空腹感→狩り→食べる・・・というように、空腹を感じてから食べるまでの間に「活動」が組み込まれたサイクルが、自然とできあがったと記載されています。
私自身、1日3食たべていた時代は、中々朝食が入らず、無理をして食べる日もあったのですが、そもそも体は朝一番に食べ物を受け入れるようにできていません。
実は、体は空腹に感じた時に、もっとも活動するのに適した状態になるのです。
我々の生活習慣や文化は狩猟採集時代からすっかり変わりましたが、遺伝子に刻まれた体の機能はそれに追いついていないのかもしれません。
飢餓状態で生命維持機能が高まる
飢餓状態にすることで、ホルモンの分泌が良くなったり、腸内細菌の働きが良くなったりするなど、生命維持機能が高まります。
腸内環境の悪化は、免疫細胞の働きにも大きなダメージを与えることが知られています。
実は、免疫細胞の6割は、腸に集まっているといわれています。
空腹の時間を意図的に作ることを推奨している別の書籍にも同様の事が書かれています。
アトピーや、花粉症、食物アレルギー、ぜんそくなど治癒原理はファスティングで「腸をきれいにする」ことが第一歩。
できる男は超少食 空腹こそ活力の源!|船瀬 俊介 著
「空腹の時間を作る」食事療法には、成長ホルモンの分泌を促す効果もある。成長ホルモンには、「代謝を高める」「筋肉量を増やす」「コラーゲンを作る」「脂肪の分解を促進する」といった働きがある。
「空腹」こそ最強のクスリ|青木 厚 著
朝食を取らないことは、一日の活動をする前に食べ物を受け入れるように体ができていないという理由もそうですが、意図的に空腹の時間帯を作るのに無理なくできるという理由もあります。
まず、空腹の時間を確保する意義について、体の中で何が起こるのかという観点から、「空腹」こそ最強のクスリ(青木 厚 著)では次のように解説されています。
最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されてエネルギーとして使われるようになります。
そして、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。
オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活性化するといわれています。
その他、空腹の時間をつくることにより期待される「体のリセット効果」として、「空腹」こそ最強のクスリ(青木 厚 著)では以下が挙げられています。
- 内蔵の疲れがとれて内蔵機能が高まり、免疫力がアップする
- 血糖値が下がり、インスリンの適切な分泌が促され、血管障害が改善される。
- 脂肪が分解され、肥満を引き起こすさまざまな問題が改善される。
- 細胞が生まれ変わり、体の不調や老化の進行が改善される。
16時間何も食べないというのは、初めての人にとってはハードルに感じるかもしれません。
私もそうでした。
1日3食のうち朝食をとらないことを選択している理由として、何も食べない時間帯に睡眠時間を充てることができるというのが大きな理由になります。
起きていると人によっては空腹で辛いと感じるかもしれませんが、睡眠時間に充てると比較的取り組みやすくなります。
精製された白米、小麦粉、砂糖は糖質のカタマリ
本書では何を食べるかよりも、大事なのは「何を食べないか」を意識すべきと述べられています。
高血圧やコレステロールを気にする前に、まず 、糖質を注意すべきとしています。
その中でも不自然に精製され、糖質のカタマリとなっている直接糖をとらないようにすることを推奨しています。
精米した白米は、米の栄養素を全て取り去られた、ただの糖質のカタマリと表現されています。
一方で、玄米は栄養バランスに優れています。
ビタミン、ミネラル、食物繊維のほか、イノシトール、ガンマリオリザノールという栄養素にも富んでいます。
精製された白米や小麦粉や砂糖などの食品から得られる栄養分は、体内での吸収が早いので、血糖値も短時間のうちに急上昇します。
すると、体はあわてて大量のインスリンを分泌し、今度は血糖値が急激に低下します。
食べた後に、眠けや疲れ、だるさを感じるのは、急激な血糖値の乱高下が関係しています。
これらの精製された食品は、満腹感が得られますが、必要な栄養素が取れていません。
本書では日本人をはじめ先進国の人たちは、カロリーオーバーなのに重大な栄養失調と表現していますが、この精製された食品をとるようになったことが原因です。
まとめ
体は空腹に感じた時に、もっとも活動するのに適した状態になる(空腹に感じたら狩りをする狩猟採集をしていた人類の体)のであり、決して「いますぐ食べ物ををくれ」というサインではない。
このことは多くの人が誤解していることであると感じました。
ファスティングを推奨している他の本も同様のことが述べられており、この書籍で言語化されていることは、分かりやすく、知識と習慣の定着につながりました。