マネジャーの全仕事|ローレン・B・ベルカー 著

本を手に取ったきっかけ・目的

現場で成果をガンガンあげていた営業マンが、なぜ出世すると成果を出せなくなるのか、この問題は単にやる気の問題ではなく、必要な能力を身につけていないことが問題である。

お金に困らない人が学んでいること|岡崎 かつひろ

日本社会では、マネージャーになる心の準備やスキルを十分に身に着けないまま、実務能力が評価されてマネージャーになるケースが結構多いのではないかと思います。

私も今、急にリーダーになったときに、リーダー像も持っていない自分にその役割が果たせるだろうか。

そんなことを不安に感じていたときに手に取った本です。

自分が過去を振り返って、関わった良いリーダーはなぜ良いと感じたのか。

悪いリーダーに対しては、なぜ不快に感じたのか。

本書を読めば、なんとなく感じていたことを言語化できるのではないかと思い、読みました。

ローレン・B・ベルカーさんの著書、「マネジャーの全仕事」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • マネージャーやプロジェクトリーダーとして良いリーダーになりたい人
  • 部下やチームメンバーのモチベーションを上げたい人
  • マネジメントについて体系的に学びたい人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

ここからは個人的に、人生に取り入れようと感じた、文脈や文意をいくつか紹介していきます。

モチベーションを上げられるマネージャー

これからの時代のマネージャー像として心に残っている内容です。

現代では、あらゆる知識や情報に誰でもアクセスできるようになり、知識や情報の民主化が進んでいます。

労働人材がより知識や情報を持つようになり、人材の流動性も高まる中、モチベーションを上げられない管理職では、今後やっていけないだろうと本書では述べられています。

部下が自発的に動けるようサポート/部下が仕事で力を最大限に発揮するには

私のこれまでの社会人経験から、良いリーダーの下で働いているときはとにかく、働きやすくかったという印象があります。

リーダーは時に脇役や裏方に回り、部下が挑戦しやすいように、部署をまたいだコミュニケーションや調整を積極的に行い、事業所長どおしで話をつけることもしばしばありました。

まだ、古い体質が残っていた私の新人時代には考えられませんでしたが、優れたリーダーは、時に自ら書記やホワイトボードにブレスト内容を分かりやすくまとめることがあります。

そのようなリーダーの下の部下は、若手でも、とにかく思考し、自分のアイディアを挙げることに専念しています。

マネジャーは常に、部下たちが仕事で力を最大限に発揮するにはどうすればよいかを知ろうとすることが大切だと本書では述べられています。

部下が自発的に動けるようサポートすることも重要なのです。

協業で反発を少なくする

マネージャーが決定を下す前段階に部下を参加させることで、部下たちにとっては上司の決めた方法の押し付けにならず、協業することができます。

このプロセスを採れば、決定事項は部下にとってより受け入れられやすくなり、反発は小さくなると述べられています。

この方法も、私が良いと感じているリーダーは実行しているように感じられます。

巻き込まれた当時の私は、意思決定をサポートしているような感覚になり、納得感と共同体感覚が醸成されました。

「どうすればこの変更を部署に実装できるだろうか」と部下に尋ねましょう。

部下を変化に巻き込めば、それだけ前向きに変化を受け入れてくれます。

誰より頑固に抵抗していた部下を巻き込む

関連して、本書では誰より頑固に抵抗していた部下を巻き込むことを推奨しています。

そのような部下を巻き込むことができれば、最高の推進者になってくれることさえあると述べられています。

いちばん強く抵抗している人を見つけて、味方につけるようにしましょう

こうした人に支持されるようになれば、変革は推進しやすくなります

カオスな部署を選ぶ

これはマネージャーの仕事に限ったことではないですし、正直、人によるところかもしれません。

ただ、私自身も経験的に共感した文脈になります。

もしもカオスな部署と順風満帆な部署のどちらを担当するか選ぶ権利があるのなら、ひどい部署を選ぶべきだろうと述べられています。

私の場合、振り返ると①~③の環境下ではやる気も出ていたし、主体的だったし、成果が出た時期と重なっていました。

共同体感覚もありました。

おそらく私の場合は、組織貢献の実感(組織貢献度合いの大きさと、自分だからできたという感覚)が大事なのだろうと思います。

一方で④の場合は、やや組織のルールに縛られがちで、周囲に甘えがちでした。

①新規PJの初期メンバーとしてアサインされた時

②手順書や仕組みも全然整っていないカオスな部署に配属されたとき

③一人として似たバックグラウンドの人間がおらず、一人でも欠けると傾いてしまうようなギリギリの組織

④手順や仕組みが整備されており、部署としても歴史があり、同じような業務を行っている社員も複数おり、人材も豊富な組織

本書ではカオスな部署では自分のキャリアに残るような名声が得られる貴重なチャンスかもしれないとしています。

難しい状況を選んで後悔することはまずない。経験からより多くのことを学べるはずだと述べられています。

まとめ

感覚的に、良いマネージャーは部下が積極的に業務を取り組めるように、間を取り持ったり、他部署との調整を買って出たり、話をつけたりしてるように実感していましたが、やはりそのような要素は重要であることがわかりました。

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