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本を手に取ったきっかけ・感想
老化の悪玉原因物質である「AGE」に関することが中心として書かれています。
この悪玉物質が体に蓄積しないように、どのような食材や食べ方をしたら良いのかが解説されていました。
図書館の返却棚にあり、興味を持ったため、手に取った本ですが、身近な食事に関することで年齢的にも今後何回か見返す機会があるのではないかと思い、電子書籍でも購入しました。
正直、この書籍にかかれていることをすべて守り、食べる食材も限定すると、好きなものが食べられないという人もいるかも知れません。
ただ、大事なのは、「AGE」が多く含まれる食品や、食べ方、調理方法など広く知り、好きでどうしても食べたい高AGE食を摂る場合は、別の食事や食べ方で帳尻を合わせて工夫をするなど、老化負債を貯めないことが重要と感じました。
今回は牧田 善二さんの著書、「老けない人はこれを食べている」を紹介します。
- 老化を抑えたい人
- 生活習慣病なく長く健康でいたい人
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分を中心に取り上げています。
必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、単なる要約になるとネタバレになりますので、詳細は書籍を購入して確認してください。
AGE
体を老化させるものとして、酸化とほぼ同時に起き、酸化よりはるかに悪い影響を及ぼすことがわかってきたのが「糖化」です。
本書では酸化と糖化について以下のように表現されています。
酸化→体がサビる
糖化→体がコゲる
「コゲ」というのは、タンパク質が糖質と結びついて劣化する悪玉物質のことを表現しています。
そして、この糖化によって体内で大量に作られる悪玉物質が、アンチエイジング医学で注目されている「AGE」という物質です。
AGE(Advanced Glycation End-Products)はブドウ糖などがタンパク質と結合して生まれる物質の最終反応物で、終末糖化産物と訳されます。
終末という日本語からもイメージできるように、一度生まれたAGEが元のタンパク質とブドウ糖に戻ることは決してありません。
恐ろしいことに、このAGEは体の中にどんどんたまり、全身のありとあらゆる場所に老化をはじめとするさまざまな害を引き起こします。
肌のシミやシワなど目に見える場所の老化だけでなく、がんや動脈硬化、骨粗鬆症、アルツハマー、白内障など、年齢が上がるとともにかかりやすくなる恐ろしい病気も、AGEが大きな原因の一つです。
老化の最大の原因は、酸化ではなく、この糖化によってできるAGEであり、これこそが、人類最大の敵といえます。
AGEがたまりやすく老化しやすい体の場所
肌の土台や関節軟骨を作るコラーゲン線維がAGEがたまりやすい場所になります。
全身のタンパク質にたまったAGEは、タンパク質が新陳代謝によって入れ替わるときに一緒に消えます。
たとえば、血液の中にあるタンパク質は、数分から長くても数か月で入れ替わります。
皮膚の表面は40~50日で総入れ替えされます。
そのため、血液や皮膚の表面は、老化の影響が比較的出にくい部分といえます。
一方、新陳代謝のスピードが遅い場所は、AGEがたまり続け、老化が進みやすい部位になります。
肌の奥の真皮や、血管を作っているコラーゲン線維は、新陳代謝で入れ替わるまでに平均14~15年かかります。
これらのことから、いくら高価なホワイトニングコスメで肌の外からケアをしたとしても、AGEが蓄積するような食生活をしていては片手落ちだということが学びとしてあります。
歳を重ねていくうえで見られる肌のくすみや、骨粗鬆症、変形性関節症、動脈硬化なども、真皮や骨、血管のコラーゲンにAGEが蓄積し、悪影響を与えています。
食べ方に注意
どんな食材でも加熱される温度や時間が高く、長くなるほど、 AGEの量は増えることがわかっています。
そのため、食材のAGEを増やさないためには、できるだけ生に近い状態で食べることが大切です。
例)刺し身、カルパッチョ
私は刺し身が好きなこともあり、普段から積極的に食べているのでこの点は続けたいと思います。
加熱しないと食べられない場合も、加熱は「低い温度でさっと」が基本になります。
例)たたきやしゃぶしゃぶ>焼き肉やバーベキュー
私はたたきやローストビーフも好きなこともあり、普段から積極的に食べているのでこの点は続けたいと思います。
卵はAGEの値が低くて、おすすめの食品とされていました。
ただし、目玉焼きは油で加熱することで、ゆで卵の約6倍のAGEになります。
そのため、卵を食べる場合はゆで卵やポーチドエッグ、温泉卵などが推奨されています。
血糖値の急激な上昇を防ぐことができれば、AGEの発生を抑えることができます。
そのため、食べる順番も工夫をしましょう。
本書では、最初に野菜や海藻、次に肉や魚、最後に炭水化物の順で食べることを推奨しています。
食物繊維を多く含む料理を食べてから少し時間をあけるようにすると、消化されつつある食物繊維が胃腸にたくさん存在していて、炭水化物の消化や分解のスピードを遅くすることができます。
コーヒーは淹れ方や飲み方、タイプによってAGEの量が変動します。
もっともおすすめなのは淹れたてのブラックです。
コーヒーは淹れ方や飲み方 | AGEの量 |
---|---|
淹れたてのブラック | 1倍 |
ミルクを入れる | 約4倍 |
砂糖を入れる | 約5倍 |
インスタントコーヒー | 約3倍 |
淹れたてのブラック(1時間後) | 8倍以上 |
私はコーヒーに砂糖と、ミルクは決して入れない派ですが、注文してから淹れてくれるカフェでコーヒーを飲むことを好みます。
しかし、毎日コーヒーをカフェで入れてもらうと家計が厳しくなりますので、仕事中の毎日のコーヒーは基本、インスタントコーヒーになります。
せめて、砂糖とミルクは入れないことは継続したいと思います。
食べ物の選択に注意
本書では巻末に食品別のAGE含有リストが掲載されていますので、詳細は書籍を購入して見ていただきたいと思います。
以下は主食の例ですが、主食の中ではごはんが最もAGEが少ないことがわかります。
1食当たりの平均的な量 | AGEの量 |
---|---|
ごはん | 1倍 |
トースト | 約3倍 |
コーンフレーク | 約8倍弱 |
パスタ | 約12倍 |
パンケーキ | 約15倍 |
ワッフル | 約9倍 |
また、タンパク源である肉・魚介・乳製品・卵については、基本的には魚介類より肉類のほうが多めになります。
肉類は食べるのに加熱する必要があるため、さらに増えます。
魚介類を加熱調理した場合でも、肉類に比べるとAGEの量は少なくてすみます。
糖質制限について
糖化の話が中心になりましたので、糖質制限についても本書ではどのように解説がされていたのか、気になる人もいるかもしれません。
結論からいえば糖質をとらなくても問題ありません。
3大栄養素のうち、脂質とタンパク質は体の中で合成できないため、必ず食べ物から取り入れる必要があります。
人間の体には糖質をため込み、必要な量をいつでも供給できる仕組みが備わっています。
狩猟や木の実の採集などで暮らしていた頃からの仕組みなので、1日に何度も主食をとる現代では意識しないと明らかに糖質の過剰摂取になります。
私自身は、一日1~2食を基本としていますが、一番の目的は、炭水化物を摂らないことになります。
プチ断食は最初は辛かったですが、タンパク質をしっかりと取るとあまり空腹に感じず、空腹を感じたらミックスナッツを食べることで今は1年近く継続しています。
体重はピーク時から7kg減った状態で安定して維持しており、免疫も落ちず(感覚的には風邪をひきづらくなった)、肌質もよくなり、若返って見られるようになりました。