THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式|スコット・ギャロウェイ 著

本を手に取ったきっかけ・感想

pivotの対談で興味を持ったため書籍を購入するに至りました。

単なるマネー本ではなく、自分の働き方やキャリアについて考えさせられる内容でした。

著者の体験談や、エピソードも盛り込まれており、説得力のある内容になっています。

今回はスコット・ギャロウェイさんの著書、「THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式」について紹介します。

この書籍がオススメの人
  • 幸せなお金持ちになりたい人
  • キャリアとお金に興味がある人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分を中心に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、単なる要約になるとネタバレになりますので、詳細は書籍を購入して確認してください。

意思決定を積み重ねていくことで、決断力が磨かれる

著者は、ある成功した中小企業の経営者から、出世するのは最高の意思決定をした人ではなく、「最も多く」意思決定をした人なのだということを聞いたそうです。

多くの意思決定をすれば、多くの反応を得ることになり、それが学びとなって決断力が磨かれていくということらしいです。

すごくいいことを書いていますよね。

1つひとつの意思決定は方向転換をする機会になります

意思決定の数が多ければ多いほど、間違った意思決定をしてもリスクを減らすことができます。

正しい意思決定を積み重ねていくと信頼を築けますが、間違った意思決定も、積み重ねることで「かさぶた」のように傷を覆ってくれるものになります。

これは私自身マネージャーになる前の現場のリーダー的な立場になったときに感じたことです。

マネージャーでもないですし、リーダー的な立場も最初は経験がなく不安だったのですが、現場の人からはこれどうしたらいいですかという相談が次々と来ます。

自分が判断したり、背中を押してあげないと下の人が動けなくなりうることが頻繁に発生しました。

当時私にも上長がいましたが、私も全て相談していたら、仕事も中々前に進みませんし、実務メンバーも困ってしまいます。

そこで、最低限、上長の判断を仰がなければならない大きなことと、たくさん現場の判断材料を持っている自分が決断した方が良いもの、自分の判断が間違っていても傷が浅く、軌道修正可能なものを自分の中で仕分け、リーダーとして意識的に判断をするようになりました。

確かに、最初は指示がマズかったかなと思う場面もいくつかあったのですが、現場の人から逆に提案があったり、やりにくそうに感じられた場面があった際は、その声を積極的に取り入れ、傷が浅いうちに軌道修正をすることを心がけました。

その時の自分の判断が間違っていれば、素直にそれを認め、謝ることもありました。

私はその時、新任のリーダーでしたので、傷が浅いうちの軌道修正は比較的抵抗なく受け入れられ、本書でも記載されている通り、判断する機会を積み上げていくと、経験に基づくリスク回避能力も高まり、当初のような判断ミスも少なくなっていきました。

本業にフォーカスする

副業解禁をする企業も増えてきている中ですし、これには反対の立場の方も多いかもしれません。

ただ、私は、今だからこそ見つめ直す価値があるのではないかと思い、取り上げました。

著者は、今より1割、2割多くの時間や労力を副業にかけるくらいなら、それを本業につぎ込んだほうが多くの成果を手にできるのではないだろうか? と述べています。

著者は本書で、フォーカスすることや、ハードワークを勧めており、これらはキャリアを前進させる馬力だと述べています。

フォーカスがないハードワークの場合、タイヤはその場で回転するだけで前進せず、燃料を無駄にすることになるとしています。

フォーカスとは、何をするかではなく、何をしないかです。

ただし、例外もあります。

あなたがフリーランスの場合、顧客の数を増やし、複数の収入源を確保しておく必要があります。

フリーランスは、自分一人のビジネスです。

1つの顧客や商品・サービスに頼るのは、どんなビジネスにとっても危険です。

会社員でも

①収入源が一つの会社の給与に頼るのは危険だ

②会社員の給与は給与制度の範囲内であり、自分の事業を持つと収入は青天井

という意見もあります。

①の意見に対しては、収入源であった会社が潰れて、転職しても活躍できるように本業にフォーカスするべき。②の意見に対しては、青天井になるような自分の事業がある場合、自分の事業にフォーカスすべきと、著者なら回答するのではないかと私は想像しました。

時間をお金と交換する

言われてみれば当たり前のことですが、我々はついこのことを忘れがちではないでしょうか?

お金を払うということはどういうことなのか、お給料をもらう、もしくはお金を稼ぐとはどういうことなのか、改めて、考え直す機会となりました。

人々は時間をお金と交換し、お金をモノ(他のお金と時間の交換の産物)と交換します。

飲食店で美味しい食べ物を食べた後、私達は店にお金を払います。

本来、自分の時間を使い、栽培、収穫、加工、料理をすべきところを、お金と時間を交換していると言えます。

飲食店で提供された食べ物は、飲食店の人が時間を提供して生み出したものです。

飲食店の人が使った野菜は、農家の人が時間を提供して栽培したものです。

そう考えると、私達が普段受けているサービスは、たくさんの人の時間が提供されていることになり、尊いもののように思えてきました。

私達が払えるサービス料で、たくさんの人の時間を頂戴しているにもかかわらず、満足度の高いサービスを受けられることが奇跡のようにも思えてきました。

昨今、我が国では、働く人が不足してきており、インフレにもなってきています。

サービスに時間を提供できる人が減ってくると、賃金を上げなければ働き手を確保できないのではないかと言われています。

賃金を上げざるを得なくなると、当然、サービス価格にも反映せざるを得なくなり、インフレも進むのではないかと感じました。

サービスを提供するために時間を提供してくれる人がいる(働き手がいる)ということは、とてもありがたいことであり、大切なことであると感じました。

たまに、店員さんに横柄な態度をとる客がいますよね。

そのような客は、他人が自分のために貴重な時間を提供してくれているという視点が抜けている、実に愚かな人間だと感じます。

投資における「80:20の法則」

8割は、パッシブ投資で運用し、残りの2割は、アクティブ投資で運用するというものです。

パッシブ投資では買ってから、そのまま何年も、もしかしたら永久に(自動運転モードで資本主義の恩恵を受ける)資産を持ち続けます。

著者は日本人ではありませので、本書では主にETF(上場投資信託)をパッシブ投資の対象として想定していました。

一方、日本のNISA制度ではETFよりも投資信託のほうが、積立投資枠でも使えるというという意味では、資産形成の主流になっているかもしれません。

残りの2割は、アクティブ投資で運用します。

これは、必ずしもアクティブ投資信託に投資をするというわけではなく、寧ろ文脈から判断するに、個別株投資の方が意図するところに近いかもしれません。

アクティブ投資をすべき理由として、著者のニューヨーク大学の同僚であるアスワス・ダモダランさんによれば、最大のメリットは投資の教訓が得られることだとのことです。

この点は非常に共感します。

投資信託は積み立てて放置するだけなので、あまり教訓は得られません。

セクターを分散して個別株を保有していると、セクターローテーションがあることが肌で感じられます。

インデックスでは経験できないような1日の下落も経験しますので、自分のリスク許容度も分かってきます。

財務諸表や決算、企業のビジネスモデルにも興味を持ち始めます。

インデックス投資では得られない経験や、視野の広がりがあるのではないかと感じます。

小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道

最後はイチローの名言でしめたいと思いますが、これは著者にも当てはまることでした。

著者は、本書の企画は素晴らしいものだと自負しています。

ただそれはこの企画を本にできた力の1割でしかないと述べています。

著者は毎週木曜の夜にブログ記事の執筆活動を行っていたのですが、この企画を本にできた残り9割の力は、毎週木曜日に培ってきた習慣の力のおかげだと述べています。

今、大きな成果をあげている人たちは、日々の小さな積み重ねの結果であると言え、この日々の習慣が大事であると感じました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA