ピーター・リンチの株で勝つ:ジョン・ロスチャイルド&ピーター・リンチ著

本を手に取ったきっかけ・感想

投資系Youtuberが紹介していた書籍で興味を持ちましたので読んでみました。

少し古い書籍で、事例は当時のものにはなりますが、現在の投資戦略にも十分生かせる内容になりますし、自分自身の経験からも共感できる記載がいくつかありました。

今回はジョン・ロスチャイルド&ピーター・リンチさんの著書、「ピーター・リンチの株で勝つ」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • 株式投資に興味がある人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけ取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、本記事は単なる要約ではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。

ヒット商品が生み出した会社の業績にどれだけ影響を与えるか

ヒット商品が生み出した会社は有望な投資先のように見えます。

しかし、そのヒット商品を生み出した企業の業績にどれぐらい影響を与えるのものなのかまで注目する必要があるというのは、私の経験上も共感できる点でした。

例えば本書で挙げられていた例の一つとして、プロクター・アンド・ギャンブルのパンパースがありました。

個性のある商品を持つ企業に対する著者の最初の興味は、その商品が企業にどれほどの影響を与えているかであると本書では述べられています。

具体的にはその商品のシェアは総売上高の何%なのか?ということに注目する必要があります。

1970年代でパンパースは最も利益の出た製品の一つでした。

しかし、パンパースの好調だけで株を買ってしまうべきだったかというと、巨大企業のプロクター・アンド・ギャンブルの全体の収益に占める、パンパースの貢献は小さなものであることにすぐ気づくだろうと本書では述べられています。

日本株で言うと、私は最近、優良なIP銘柄を探す機会がありました。

優良なIP関連銘柄の一つとして常に挙がってくるのが、ソニーでした。

「鬼滅の刃」の映画(『無限列車編』や以降の劇場版)がヒットすることで儲かりそうな会社ですが、直接的に恩恵を受ける企業としては、国内で配給を手掛けるソニーグループ傘下のアニプレックスや、海外で配給を手掛けるAniplex of AmericaやFunimation(現Crunchyroll)などのソニー傘下企業が挙げられます。

さらにソニーグループは、音楽(主題歌のLiSAなど)を通じても恩恵を受けます。

御存知の通り、ソニーグループはこの他にも色々事業を手掛けており、話題作の業績に与える影響や、事業間のシナジー効果を見積もる必要があります。

私の場合は事業領域がシンプルで、事業ポートフォリオの入れ替えは、銘柄の入れ替えを通じて行いたいタイプですので結果的にはソニーに投資をしなかったのですが、ここは好みが分かれるところかもしれません。

人によっては、ある特定の製品に業績を依存しすぎている状態に対して不安に感じるということは当然あるでしょう。

特に、特許による独占販売期間が永遠に続くわけではない製薬企業などに投資をする場合、この観点は重要になります。

ファンドは企業の成長過程を取り入れられない側面がある

ファンドには時価総額(総発行株式数に株価を掛けたもの)の大きさの制限を設けているものがあります。

時価総額が1億ドル以上と決められていれば、1株1.75ドルで総発行株式数2000万株の会社は、時価総額が3500万ドルにしかならないので対象外となります。

しかし、もし株価が3倍の5.25ドルになると、時価総額105億ドルだから、突然買えるようになります。

この場合、このファンドは3倍になった株の成長を取り込むことができずに、高値になって初めて投資対象にすることができるという変な現象が出てきます。

概して大きい企業年金のポートフォリオは、せいぜい10%の上昇が見込める株や、びっくりするような成果には縁のない株しか組み入れられないので、市場平均に優る成績をあげられるはずがないと本書では述べられています。

私達個人投資家の持っている投資関連情報や投資スキルは、プロには及ばないこともありますが、ファンドのようにルールに縛られることはありませんので、その運用成績において上回れる可能性は十分にあるのではないかと感じました。

ファンドやインデックスには組み入れられない中小型銘柄にこそ、個人投資家の勝ち筋が隠されているのではないかと感じました。


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