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本を手に取ったきっかけ・感想
本書は高市早苗さんと第一線の専門家たちが、経済、外交、防衛、そして先端技術の視点から「真の国力」を徹底解剖したものです。
日本の将来について考えてみたくなり、停滞を打破し、豊かにするための具体的戦略がまとめられた本書を手に取りました。
今回は高市 早苗さんの著書、「国力研究」を紹介します。
- 高市総理の国家観や思考プロセスを垣間見たい人
- 日本の将来について興味がある人
- 日本の外交・防衛政策の「核心」を理解したい方
- 政治や公共政策を学ぶ学生・若い世代
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
この記事では個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけを断片的に取り上げています。
必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。
中国共産党が目指している強い中国
本書では、中国が独善的かつアグレッシブな「戦狼外交」を行っている背景を理解することができます。
中国共産党は自国のことを次のように表現しています。
「中国は毛沢東により立ち上がり、鄧小平により豊かになり、そして習近平により強くなる」
鄧小平時代は高い経済成長の追求が最重要であり、経済成長の実現が中国共産党の正当性でした。
ですから比較的平和で安定した国際環境が必要でした。
アメリカや日本との関係も比較的安定した関係を築こうとしました。
しかし、現在の中国共産党の正統性に対する習近平氏の答えは「豊かな中国」ではなく「強い中国」です。

「中国の夢」「中華民族の復興」等をスローガンとしていたのは、人民を鼓舞して強い中国を目指しているからです。
特に習近平氏は中国のアヘン戦争以降、虐げられた屈辱の歴史は力がなかったからだと考えています。
力への信奉が強いのです。
中国製造2025
「中国製造2025」を公布するに際して、中国は冒頭に次のように謳っています。
製造業は国民経済の基盤であり、国家存立の根本であり、国家振興の神器であり、強国になる基礎である。産業文明が 18世紀半ばに始まって以来の、世界の強国の興亡、中華民族の奮闘の歴史は、「強い製造業なしには国家と民族の繁栄もない」ことを物語っている。国際競争力のある製造業を作り出すことは、中国の総合的な国力を高め、国の安全を保障し、世界における強国を打ち立てるために避けては通らない道である
(科学技術振興機構研究開発戦略センター海外動向ユニット、「中国製造 2025」の公布に関する国務院の通知の全訳)
世界の工場となり、グローバル化の恩恵を受け、製造業の大国となった中国の今の姿を見ると、非常に戦略的であるように感じますし、国力を考える上では参考になります。
多くの国にとって、中国は最大の貿易相手国であり、中国依存が高くなりました。
製造拠点や労働現場の国外流出は、産業空洞化をもたらし、中間層の衰退に繋がっている一面があります。
トランプさんはアメリカに製造を戻そうとしていますが、生産拠点を一旦海外に移ってしまうと、中々、自国に戻すことはできなくなります。
アメリカの造船業は既に衰退しており、軍艦を作るには中国か韓国か日本に頼らなくてはなりません。
安全保障上も、経済安全保障上もある程度、自国もしくは、同盟国を含めた経済圏の中でモノを生み出せるようにしておく必要があると感じました。
オーストラリアは日本にとって重要なパートナー
オーストラリアは日本にとって非常に大事な国だということを本書で知りました。

日豪関係の基礎数字に「七六四」「九四二」というものがあるそうです。
「七六四」はエネルギーで、日本の輸入石炭の七割、鉄鉱石の六割、ガスの四割がオーストラリア産だということです。
「九四二」は食料安全保障で、輸入砂糖の九割、牛肉の四割、小麦の二割がオーストラリア産だということです。

これらの基礎数字から、いかにオーストラリアが日本のエネルギー安全保障、食料安全保障にとって大切な国かがわかります。
ビジネスを司る商社やエネルギー関係企業と、政治を司る永田町、霞が関とでは認識に大きなギャプがあるといいます。
商社やエネルギー関係企業にとっては、グローバルの利益の半分はオーストラリアビジネスであり、アメリカより重要であるという状況です。
日本にとっての同盟国はアメリカですが、アメリカに依存しすぎたり、準同盟国と言えるような国々ともパートナーシップも強化していかなければなりません。
バイプロLOG 