どんな相手も味方になる感じのよい伝え方|宮本 佳実 著

本を手に取ったきっかけ・目的

図書館の返却棚にあって、たまたま手に取った本です。

人間関係を良くしたり、マネジメントスキルを向上させるのに役立つ内容が記載されていることに期待をして読みました。

この書籍がオススメの人
  • 伝え方を学びたい人
  • 人間関係(職場・友人関係・恋愛・結婚)を良くしたい人
  • マネジメントスキルを向上させたい人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

ここからは個人的に、人生に取り入れようと感じた、文脈や文意をいくつか紹介していきます。

人は、自分のことをたくさん話せた相手に好感を持つ

これは五百田 達成さんの著書、「超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける」でも、

雑談において共通の知人の話を続けても、関係は深まらない。

他人の話をしないで、お互いの話をする重要性が述べられています。

雑談の目的の一つに人間関係の構築があります。

調べればわかるような冷たい情報のやり取りや、他人の話だけで会話が終わった場合、お互いのことを知ることができず、人間関係の構築をすることは難しいでしょう。

自分だけの経験や、感じた生の気持ちを共有することで親密な関係を築くことができます。

人は、自分のことをたくさん話せた相手に好感を持つのです。

失敗談は相手との距離感をグッと近づけるアイテム

会話でお互いのことを話せることが、人間関係の構築において重要だと記載しました。

中でも失敗談は相手との距離感をグッと近づけるアイテムと述べられています。

私自身はこれ、すごく苦手で、逆にこれができる人に憧れる傾向が強いです。

自分の失敗談をさらけ出せる人というのは、それなりに勇気もいりますし、自己開示をしなければなりません。

でもこれらのハードルを恐れない人というのは、初対面後も印象に残りやすいですし、そのような赤裸々でその人だけが持っているエピソードを開示してくれたわけですから、人となりも分かり、開示された相手も悪い気はしないのではないでしょうか?

私の周囲では、そのような人は人間関係がうまく回っているような気がします。

本書では失敗談は誰と話していても会話が盛り上がるし、「そんな経験されていたんですね」と、相手に親近感も与えやすい と述べられています。

失敗を何度も重ねながら自分の弱みを知って、それをまわりの人にさらけ出して伝えられる人のところに、”味方”は集まるという側面もあります。

その他、誰かにアドバイスを求められたときは、ただ成功したことを話すよりも

「私もこんな失敗もしたよ、気持ち、わかるよ」

というように伝えることをおすすめしています。

また、人に注意をするときも

「私もそういうことあったから、すごくあなたの気持ちわかるんだけど、ここには気をつけたほうがやりやすいよ」

と、相手に共感しながら気をつける点を伝えると、きつい印象を与えないとしています。

アイ・メッセージで”思い”を柔らかく伝える

私の周りには「個人的に〇〇と思うのですが・・・」という表現を使う人が多いですが、本書を読んでいて、これも同じような効果を狙ったものなのかなと感じました。

「私はこう思う」と、自分を主語にした「提案」の伝え方で、自分の一意見として、相手に柔らかく伝える事ができる手法 になります。

例)「私は〇〇と思うのですが、いかがでしょうか?」

例) 「私は、こういう意見もあっていいいなって思ったんだけど、どうかな?」

考えの押し付けにならずに、仮に相手が自分と違う意見を持っていたとしても、それを受け入れる余地を残した言い方として、取り入れようと思いました。

アイ・メッセージで”思い”を伝えないほうがいい場面

本書ではこのようなまとめ方をされているわけではありませんでした、アイ・メッセージで伝えないほうが良い2つのケースが特に印象に残っています。

一つは、自慢話と捉えられることを避けたい場合です。

「よく〇〇と言っていただくことがあるのですが・・・」

「嬉しいことに、△△とお褒めの言葉をいただくことがありまして」

これらも、私自身はよく耳にする嫌味のない表現になります。

”人からの評価”というニュアンスで伝えることで、相手に自慢話ととらえられないメリットがあります。

二つ目は、他人に注意をしたいが伝えづらい時になります。

本書では後輩の身なりを注意したいときを例として挙げられていました。

「その格好だとビックリしちゃう人もいるから、職場には膝が隠れる服で来てね。」

というような感じです。

自分ではなく、まわりの人がどう思っているかという理由をソフトに伝えた上で、どういう格好であればいいのか、具体的な提案をしている事例になります。

改めて自己紹介の配慮

これは、最近、自分自身も取り組んで良かったので、その通りだなと感じました。

また、こういうちょっとした気配りを伝え方に加えることで、その後の人間関係の構築もスムーズにできた経験があります。

例えば、過去一度しか接点がなく、たまたま再開した場面をイメージしてください。

人によっては人見知りする場面かもしれません。

相手が自分を覚えているのか不安なとき、相手に思い出してもらいやすいように補足情報を添えて、改めて自己紹介をすることを本書ではおすすめしています。

「私のこと、覚えていますか?」のように聞いたとして、もし相手が覚えていなかったら、気まずいですよね?

私の場合ですと、「以前〇〇研修のときに同じグループでお世話になった、〇〇です。」と、名前に加えて、当時の接点の補足情報を伝えたところ、相手も覚えてくれていて、お互い安心した雰囲気で会話をすることができました。

「同調」ではなく「共感」

最後は「同調」ではなく「共感」です。

私の今の職場環境は上司が他の部署の人間の愚痴を言って反応に困る時があります。

私自身は特にその、他部署の人間に対して、正の感情も負の感情も持ち合わせていないからです。

このような場合、「同調」ではなく「共感」すると、その話の内容には一定の距離を持ちつつ、話してくれる相手の気持に寄り添うことができるとしています。

ここで、「同調」と「共感」の違いについてまとめておきます。

同調・・・相手の「言うこと」に同意して、「そうだね。それはむかつく!」と言う

共感・・・「それは悲しかったね」「辛いよね」と、その人の”気持ち”に寄り添う

誰かとの会話の中で愚痴や悪口などのネガティブな話が出てきたら、この「同調」と「共感」の違いを思い出し、相手の気持ちにフォーカスして「共感」を伝えるようにすることを本書ではおすすめしています。

そうすれば、ネガティブな話をそこで終わりにして、今後その相談者が愚痴の相手との関係をどのように変えていけばいいのかという、生産的な話に展開していくことができます。

まとめ

ちょっとした伝え方の違いですが、人間関係を円滑にするものばかりで、自分の実体験でも共感する内容がたくさんありました。

著者は高度なバーバルコミュニケーションが飛び交う、女性の多い職場で、高いコミュニケーションノウハウを武器に、良好な人間関係を築いておられていました。

実体験に基づくものや、具体例も豊富で読みやすい本でしたので、興味のある方は手にとって見てください。

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