老化負債 臓器の寿命はこうして決まる|伊藤 裕 著

本を手に取ったきっかけ・感想

pivotの対談で興味を持ったため書籍を購入するに至りました。

「負債」と表現しているのが特徴的で、返済しなければ蓄積していき、害を及ぼす一方で、不可逆なものではなく返済可能=若返り可能という意味で、「老後負債」という表現は個人的にしっくり来ました。

私にとって、今から老化負債を意識した生活習慣にすることは、高い幸福度で長い健康寿命を全うする上で必要なことですので、本書のエッセンスを人生に取り入れたいと思います。

この書籍がオススメの人
  • 老化を抑えたい人
  • 生活習慣病なく長く健康でいたい人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分を中心に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、単なる要約になるとネタバレになりますので、詳細は書籍を購入して確認してください。

ミトコンドリアに適度な負荷を(低酸素、カロリー制限)

ミトコンドリアは我々の細胞の中でエネルギー代謝をつかさどっています。

具体的には栄養素の糖分や脂肪分を原料に、酸素の力でエネルギー源のATPを作ります。

ミトコンドリアを長く元気に働かせることで、老化を抑えることができます。

ミトコンドリアは少し負荷を与えることで、より強くなります。

具体的には、食事は腹八分目にし、運動をすることで、カロリー制限と低酸素状態というミトコンドリアにとっては適度なストレスの状態を作り出します。

何の驚きもない、のんべんだらりとしたルーティン生活は、かえってミトコンドリアを怠けさせ、劣化させてしまうことにつながるのです。

成長ホルモンの分泌を増やすグレリン

グレリンは、胃から分泌されるホルモンでミトコンドリアを元気にする老化負債返済の心強い味方になってくれるホルモンです。

わたしたちが空腹になった時に、胃がその状態を感じ取ってたくさんグレリンを分泌します。

分泌されたグレリンは、胃の周りにある、脳へ直通する神経に働きかけて「早く食べろ」と脳に命令します。

また、われわれの成長と成人の体の維持に大切な「成長ホルモン」の分泌を増やせと命令します。

グレリンの分泌を高めるには、「お腹がすいた」と思える時間を持つことが重要です。

本書では老化負債返済のためには、空腹の時間を少なくとも12時間、できれば14時間確保することを勧めています。

2食であれば、比較的空腹の時間を取りやすく、3食食べる場合でも、朝7時と昼12時頃、そして夕17時頃に食事をして、その後は水分以外口にしないというような生活習慣になります。

私の場合は、一日1~2食を基本としていますが、目的としては、上記の空腹の時間を作り出すということと、普通に3食べていると過剰になってしまう炭水化物をとらないことになります。

プチ断食は最初は辛かったですが、この後紹介する、タンパク質をしっかりと取ることであまり空腹に感じない状態にするのと、空腹を感じたらミックスナッツを食べることで今は1年近く継続しています。

体重はピーク時から7kg減った状態で安定して維持しており、免疫も落ちず(感覚的には風邪をひきづらくなった)、肌質もよくなり、若返って見られるようになりました。

タンパク質をしっかり取る

プチ断食を1年近く継続していて感じることですが、炭水化物ではなく意識的にタンパク質で空腹を抑えることで、食欲に苦しめられることがあまりなくなりました。

本書でも、タンパク質をしっかりと取れば食欲が抑制され、糖分、脂肪分を余計に取ることがなくなることを明らかにした研究について触れられています。

また、若い時には意識してタンパク質を十分に取り、筋肉をしっかりとつけておくことが、将来サルコペニアをきたさないために重要です。

「筋肉貯金」と言われるものです。

血糖値の急激な変化を避ける

私自身がプチ断食を継続している理由として、油断していると過剰になってしまう糖質を抑えることも理由の一つです。

われわれは、糖類を食すると腸で単糖類に分解してから吸収しています。

糖類によって単糖類の結合の仕方が異なり、その分解吸収のされ方が異なります。

たとえば砂糖 (ショ糖)は、単糖類のブドウ糖と果糖が結合したものであっという間に分解されて吸収されます。

この分解吸収のされ方は、GI(グリセミック・インデックス)として表されます。

GI値が大きいものを摂取すると血糖が急激に上がります。

パン、白米、うどん、せんべい、ドーナッツなどはGI値が高く、ソバ、全粒粉、イチゴ、リンゴなどはGI値は低いです。

血糖が上昇しやすくなると、何がいけないのかというと、その時の高血糖分はタンパク質に結合して、AGE (終末糖化産物)と呼ばれる悪玉物質に変化します。

AGEはどんどん体に蓄積して、血管をはじめ臓器に障害を起こします。

短期借り入れの高血糖によって、AGEという大きな負債を抱え込むことになります。

AGEすなわち老化負債の蓄積は、肌のシミやシワなど目に見える場所の老化だけでなく、がん、動脈硬化、骨粗鬆症、アルツハマー、白内障など、年齢が上がるとともにかかりやすくなる恐ろしい病気の大きな原因の一つにもなっています。

AGEについては以下の書籍で勉強したので参考にしてください。

老けない人はこれを食べている|牧田 善二 著

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA