JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則|ニック・マジューリ 著

本を手に取ったきっかけ・感想 

ファイナンシャル・ライターとしても活動しているニック・マジューリさんの著書「THE WEALTH LADDER 富の階段: 資産レベルが上がり続けるシンプルな戦略」を読み、学びになった名著でしたので、同じ著者のベストセラーである本書JUST KEEP BUYINGを読み返してみました。

THE WEALTH LADDER 富の階段|ニック・マジューリ 著

本書にしてもTHE WEALTH LADDER にしても同じことが言えますが、誰もが知りたいお金に関する根本的な疑問に、著者がデータサイエンティストとして金融データを縦横無尽に駆使し、データに基づいた説得力のある答えをシンプル示す内容になっています。

お金にまつわる根本的な真理を人間心理の側面から解き明かした世界的ベストセラー『サイコロジー・オブ・マネー——一生お金に困らない「富」のマインドセット』(ダイヤモンド社)の著者モーガン・ハウセルさんも絶対に読むべき一冊として本書を絶賛しています。

第1部のテーマは貯金力アップ「貯金から投資へと続くパーソナルファイナンスの道のり」【第1段階】で、第2部のテーマは投資力アップ【第2段階】となっています。

今回はニック・マジューリさんの著書、「JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • パーソナルファイナンスに興味がある人
  • 経済的に豊かになりたい人
  • THE WEALTH LADDERを読んだことがある人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

この記事では個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけを断片的に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。

世の中お金のアドバイスは万人向けではない

最近の社会では、もの消費からコト消費という言葉をよく聞きます。

実際に、モノより経験を買うほうが幸福度が高まることを示す研究結果は多いです。

しかし、これが一部の人(仮に「外向的な人」とする)にのみ当てはまるとしたらどうでしょうか?

著者はこのような疑問を本書で投げかけています。

もしそれが正しいなら、世界人口の 60〜 75%を占めるとされる外向的な人にとっては正しいですが、それ以外の内向的な人にとっては効果のない「お金の使い方のアドバイス」が語られていることになります。

これは一例に過ぎませんが、本書で言いたかったことは何が自分に合ったお金の使い方なのかは、慎重に考えなければならないということです。

研究結果は、一部の人にしか当てはまらない場合があるからです。

ケンブリッジ大学の研究によれば、自らの心理的特性に合った買い物をしている人は、人生の満足度が高く、さらに、これは収入の多寡が幸福度に及ぼす効果より大きかったということがわかっているそうです。

この研究によれば、何にお金を使うのを楽しいと感じるかは性格に左右されることがわかっています。

だとすれば、お金の使い方に関する世間の常識を鵜呑みにするのは再考すべきかもしれないと本書では述べられています。

自分に合ったお金の使い方

次の内容は、お金を使うことに対して罪悪感を感じないために、参考になる考え方でした。

本当に難しいのは、お金の使い方ではなく、人生で本当にほしいものが何かを見つけることなのです。

自分にとって大切なことは何か?こんな生き方はしたくない、と思うものは何か?どんな価値観を世界に広げたいか?こうした問いへの答えがはっきりすれば、お金を使うことが簡単になり、楽しくなります。

つまり重要なのは、「何を買うかではなく、どんな基準で買うか」なのです。

例えば、私の場合、インデックス・ファンドに2万円投資するのと、外食で2万円消費するのとを比較したときに、前者は抵抗がありませんが、後者はホイホイ出費できるものではありません。

インデックス・ファンドなら2万円投資をしても抵抗ないかなという価値観は、投資を始めるまでは正直なかったですが、投資をはじめて基準ができました。

私のような金銭感覚の人は他にもいると思います。

私のような人向けに、本書で紹介されていたのが「2倍ルール」と呼ばれるもので、贅沢な買い物をするときは、必ずそれと同額の投資をするというルールです。

これを導入することで、この贅沢な商品を自分は本当に買いたいと思っているのだろうか?と立ち止まって考えることができます。

私はこの方法を取っておらず、前述の通り、頭の中で、インデックスファンドなどへの投資との天秤にかけるということを行っていましたが、本書で紹介している2倍ルールも非常に参考になります。

私も買い物で時々感じる罪悪感は、何かを買うからではなく、その買い物を自分なりに正当化できないからだと本書では述べられています。

何かを買う正当な理由がなければ後悔することになります。

どれだけ言い訳しても、自分にウソはつけません。

資産運用によって収入を得ることを目指す

自分の専門知識や技能、商品を売ることは素晴らしいです。

しかし、富を築くという面から考えれば、それは究極の方法ではないと本書では述べられています。

富を築く旅の最終目標は、「オーナーになること」——すなわち、増えた分の収入を使って、さらなる収入を生み出す資産を取得することにあります。

社会に出たばかりの頃の自分を振り返っても、自分の専門知識や技能を伸ばそうと意気込んでいましたので、次のことは微塵も考えていませんでした。

若い頃は、むしろ老後のことは考えすぎずにそれぐらいのほうが良いのではないかと個人的には考えています。

実際に本書では著者自身の失敗談も述べられており、仕事をはじめた20代の頃はキャリアを重視すべきだったと述べられています。

ニューヨークの連邦準備銀行の研究によれば、個人の収入が最も急速に増加するのは、仕事を始めてから最初の10年間である(25〜35歳)。23歳の私は、投資ポートフォリオではなくキャリアのことを重視すべきだったのだ。 私の失敗の原因は、お金は時間より重要な資産だと信じていたことだ。それが誤りだと、後になってようやく気づいた。 お金は後からでも稼げる。だが、時間は取り戻せない。

しかし、人生を中長期的に俯瞰して見てみた上で、次のことを頭の片隅に入れておくとよいでしょう。

今後どのような形で収入を増やそうとするにしても、これらの方法はすべて一時的な手段と考えるべきです。

なぜなら最終的には、資産運用によって収入を得ることを目指すべきだからです。

それが、資産を安定して増やしていくための最善の道になると本書では述べられています。

今の仕事や収入を得る手段は一時的なものであるという考え方は、私にとって新しい考え方であり、私以外の日本人にとってもまだまだ馴染みのない考え方かもしれません。

ある程度投資経験を積んだ現在の自分でも、資産運用による収入は、将来の年金の足しで、足りない分は働いたらいいかぐらいにしか考えていませんでしたが、本書では資産運用によって収入を得ること目指すべきと言い切っている点が注目に値します。

アスリートほどではないにしても、アスリートの人生をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

自分の時間と体、技術を使っていつまでも20代、30代のように収入を得続けることは難しいことが想像できます。

これは、保険的な意味でも、労働収入から資産運用による収入に徐々に切り替わっていく仕組みを人生設計していく必要があるということになります。

パーソナルファイナンスの最大のウソ

「お金を増やしたいなら、とにかくもっと節約して貯金を増やすべきだ」

これは、メディアの間違ったメッセージだと本書では述べられています。

収入が今の 10倍になったとしても、生活費が 10倍になるとは考えにくいです。

生活レベルは上がるかもしれませんが、収入アップと同じ比率で基本的な生活費が増えるわけではないのです。

高所得世帯のほうが貯金しやすいのはこのためなのです。

「支出を減らせばお金持ちになれる」は、パーソナルファイナンスの最大のウソなのです。

お金持ちになるための王道とは、突き詰めると、収入を増やし、収益を生み出す資産に投資することになります。

「できるところは引き締め、後は収入を増やすことに集中する」 ——これが、資産を増やすための鉄則なのだと本書では述べられています。

DIE WITH ZEROは難しい

本書で紹介されていたテキサス工科大学の研究では、米国で 1年間に資産を減らした年金受給者の割合はなんと、7人に1人前後しかいなかったそうです。

インベストメント&ウェルスインスティテュート社は、「資産レベルを問わず、年金受給者の大部分は、元本を取り崩さず、投資による収益分以下しか資産を引き出していない(金融資産の収益分のみしか引き出していない割合は 58%、金融資産を含む全資産の収益分のみしか引き出していない割合は 26%)。元本を取り崩しているのは、わずか 14%にすぎない」と報告しているそうです。

その結果、相続人は多額の遺産を手にすることになります。

年金生活者の立場に立つと、自分がどれくらい長生きできるかわからない中で、資産を取り崩して、生きている間に資産がなくなってしまう不安があるのかもしれません。

これは米国社会の事例ですが、DIE WITH ZEROがいかに難しいことかということを知ることができます。

転職・共働きが当たり前になった現代の世帯所得は変動しやすい

「所得動態に関するパネル調査」( PSID/ Panel Study of Income Dynamics)のデータによれば、近年、多くの人たちの所得は不安定になっていることがわかっています。

このデータに基づいた調査は、 1968年から2005年にかけて「世帯の所得変動の推定傾向は 25〜 50%高まっている」ことを明らかにしています。

この結果自体は個人的にも違和感はありません。

本書で述べられていた考察として、以前のように世帯の誰か一人が稼ぎ手になるのではなく、共働き世帯が増えたことにより、世帯内の片方の稼ぎ手が一時的に失業するのを許容しやすくなったことも反映されていることが紹介されています。

また、日本社会の場合、転職も当たり前になってきましたので、転職に伴う収入の変動も発生するでしょう。

このとき私の頭に浮かんだのが、住宅のペアローンや50年ローンなどです。

これらは、現在の共働きの世帯所得が今後、変動する可能性も考慮して契約すべきだと感じました。

収入の何割を貯金すべきかや、住宅ローンは年収の何倍までなど、収入が一定であることを前提としたルールを絶対的なものとすべきではないと本書では述べられています。

なぜなら、前述の通り、生涯を通じて収入はますます一定ではないものになっているからです。

ドリーバーデン・チャーは、年間を通して同量のカロリーを消費するのではなく、得られる食物の量に基づいて摂取カロリー(と代謝)を変化させるそうです。

私たちは貯金に関しても、この魚と同じことをすべきなのだと本書では述べられています。

貯金をたくさんできるときはそうしますし、そうでない場合は少なく貯金することになります。

貯金と投資戦略

貯金と投資戦略に関する世間で言われているアドバイスについても個人の経済状況によって変わるものであり、予想貯金額のほうが多い人は、貯金を増やすことに集中すべきですし、予想投資収益額のほうが多い人は、所有している投資資産の配分調整に多くの時間を割くべきだと本書では述べられています。

「予想貯金額」と「予想投資収益額」の数値が近い場合は、両方に時間を費やすといいだろうと本書では述べられています。

この考え方は、著者のベストセラーTHE WEALTH LADDERでも述べられていますし、巻末の「ジャスト・キープ・バイイング」21の黄金ルールの一つでもあります。

一般的には、年齢とともに焦点は貯金から投資へと移っていきます。

このことは覚えておくべきことであり、「資産運用によって収入を得ることを目指す」のパートで紹介した理想形になります。

まとめると、何を重視すべきかは、その時点の経済状況次第なのです。

投資資産が少ないなら、貯金を増やすこと(そしてそのお金を投資すること)に注力すべきですし、すでに大きな投資資産があるのなら、投資計画に時間を費やしたほうがいいということになります。

本書では、思い切った言い方をしており、貯金は貧しい(投資をするお金がない)人のためのものであり、投資は豊かな(投資をするお金がある)人のためのものだと述べています。

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