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本を手に取ったきっかけ・感想
私たちはなぜ、常に不安やストレスに苛まれているのか。
その答えは、脳が作り出す「自己(セルフ)」という幻想にあります。
本書『無(最高の状態)』は、最新の心理学や脳科学の知見を駆使して、苦しみの根源である「自己」を解体し、メンタルを最高の状態(無)へと導くための実践ガイドです。
今回は鈴木 祐さんの著書、「無(最高の状態)」を紹介します。
- 常に「不安」や「悩み」が頭から離れない人
- 完璧主義で自分を責めやすい人
- 人生の「苦しみ」の根本原因を知りたい人 など
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
この記事では個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけを断片的に取り上げています。
必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。
人類の脳は現実よりも〝物語〟を重んじる
マサチューセッツ工科大学の研究によれば、科学的に正確な事実は1000人以上には広まらないのに、恐怖を煽るような偽のニュースは 10万人を超えて拡散されることが分かっています。
Vosoughi S, Roy D, Aral S. The spread of true and false news online. Science. 2018 Mar 9:359 (6380):1146-1151. doi: 10.1126/science.aap9559. PMID: 29590045.
このことからフェイクニュースの方が広がりやすいことが想像できます。
なぜこのような話題を取り上げたかというと、私たち人間はそのようにできているものであり、人間にはそのような特徴があることを踏まえた上で、情報化社会の中で情報を受け取る必要があると感じたからです。
人間のこのような特徴は、危険に満ちた原始の世界を生き抜く上では役に立った警戒システムなのです。
原始の世界では、狩りに出れば肉食獣や蛇に襲われるリスクがあり、天候に恵まれなければ飢饉のリスクがあり、マラリアやデング熱などの感染症のリスクがあり、部族間の争いで命を落とすこともありました。
危険に満ちた原始の世界では、生きていくために、楽観的な情報よりも、ネガティブな情報を重視する必要がありました。
安全が増した現代では原始の心が過敏に反応してしまい、不幸を招きかねないということが想像できます。
感情の粒度を上げることでセルフコントロールを高める
「感情の粒度」は心理学の概念で、あいまいな感情をくわしい言葉で表現できるスキルのことです。
このスキルが高い人は気分が悪いことに対して、「癇にさわる」「憤る」「いらつく」といった複数の表現を思いつき、その中から一番しっくりくる言葉を選ぶことができるます。
一方で感情の粒度が低い人は、何か嫌なことがあった際に、すべてを「むかつく」や「気持ち悪い」など1〜2つのボキャブラリーだけで表現します。
この違いはささいなスキルのように思えるかもしれませんが、ここ数年の研究で、「感情の粒度」がメンタルの安定に大きく関わることがわかってきました。
「感情の粒度」が高い人たちを調べたジョージ・メイソン大学などのチームは、感情の言語化がうまい人たちは総じてセルフコントロールがうまく、アルコールやドラッグに依存しにくいうえに病気にもかかりにくいと報告しています。
Kashdan, Todd & Barrett, Lisa & Mcknight, Patrick. (2015). Unpacking Emotion Differentiation. Current Directions in Psychological Science. 24.10-16. 10.1177/0963721414550708.
では「感情の粒度」を高めるためにはどうすればよいのでしょうか。
次の2つを本書ではおすすめしていました。
- 新しい言葉を学ぶ
- 感情ラベリングを行う
最も手軽なのは、あなたの知らない表現に触れることです。
普段は手に取らなそうな小説を手に取り、単に「悲しい」だけでなく、「うら悲しい」「物寂しい」「哀れを誘う」「いたわしい」など、さまざまな感情の濃淡を表す表現をストックすることをおすすめしています。
また、新しい単語を学ぶだけでなく、「穴の中に落ち込むような孤独」や「豚のように肥えていく孤独」といった比喩表現に触れるのも効果的です。
目新しい表現に出会う度に、「この言い回しは過去の私の感情に当てはまらないだろうか?」と考えてみると良いでしょう。
バイプロLOG 