新しい階級社会 最新データが明かす〈格差拡大の果て〉|橋本 健二 著

本を手に取ったきっかけ・感想

Pivotで興味を持った書籍です。

新しい階級の特徴と、その階級が生まれる社会の構造、資本主義の先進国が行き着く先についてイメージができました。

今回は橋本 健二さんの著書、「新しい階級社会 最新データが明かす」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • 格差に興味がある人
  • 新しい階級社会に興味がある人
  • 社会学に興味がある人

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

この記事では個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけを断片的に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。

フォーディズムからグローバル化の宿命

フォーディズム段階とは、1910年代に米国のフォード自動車が導入した、フォード・システムと呼ばれる自動車の大量生産のシステムに特徴づけられたような社会です。

ベルトコンベア・システムという方がわかりやすいかもしれません。

イメージとしてはベルトコンベアに乗せられて動いていく車体に、その横に配置された労働者が順番に部品を取り付けていくという、簡単というわけではないが、単純作業の典型ともいうべき労働です。

フォーディズム段階の国は「大量生産」と「大量消費」がセットで回る社会となっています。

フォーディズム段階の特徴は、技術水準と賃金水準が中間レベルの製造業が、先進国内部に分厚く集積していたことです。

日本でも一億総中流社会と言われていたのはこの段階の時代だったのではないかと個人的に感じました。

しかし、日本に限らず先進国では、グローバル化が進行すると、製造業は競争力を失って衰退し、あるいは安い労働力を求めて中枢部分を先進国に残しながら海外に移転していくことになります。

そして産業の中心は、金融業と情報サービス業に移行することになります。

今のアメリカを見ると、トランプさんが製造業を取り戻そうとしていましたが、現状は難しいのではないかと思います。

本書を読んで私が感じたのは、これは資本主義の先進国の行き着く先なのではないかという点です。

格差が生まれる宿命

製造業が発展し、安い労働力を求めて海外に製造拠点が移ると、先進国の職業構造は、高度な技能や判断力を必要とする高賃金のものと、低賃金の単純労働とに分極化することになります。

一方では、先端技術を駆使したり専門的サービスを提供したりする産業に従事する専門技術職が増大します。

他方では、これらの人々の仕事と生活を支える清掃人、店員やレジ係、ウェーター、建設作業者など、労働集約的な産業で単純労働に従事する労働者が増加します。

こうして格差は拡大していくので、これも資本主義の先進国の行き着く先なのではないかと感じました。

格差は他人事ではない

格差拡大によって悪影響を被るのは、貧困層や相対的に貧しい人々だけではありません。

格差が拡大すると、社会から連帯感が失われ、人々は互いを信頼することができなくなり、ストレスを感じるようになります。

アメリカを見ると、社会の分断が進んでおり、行き過ぎた資本主義の行き着く先や、格差を放置した日本の未来を見ているように感じることがあります。

格差の拡大により人々の社会活動への参加が減少し、社会全体の健康水準が低下し、子どものいじめが増え、また犯罪が増加します。

格差の拡大は決して他人事ではありません。

ウィルキンソン&ピケットの『格差は心を壊す』など多くの研究は、このように格差の大きな社会が病んだ社会であることを明らかにしてきました。

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