こうやって、僕は戦い続けてきた。 「理想の自分」に近づくための77の習慣|菊池 雄星 著

本を手に取ったきっかけ・感想

本書に興味を持ったきっかけは、Pivotの特別インタビューです。

菊池雄星選手の言語化能力の高さや視野の広さなどに感銘を受け、この人が書く書籍はどんなものなのだろうと興味が湧き、読んでみました。

出版社にもゴーストライターを入れずに自分の手で綴りたいと要望して出来上がった書籍になります。

現役でメジャーリーガーをしながら執筆されたものなので、結構、大変だったのではないかと想像します。

菊池雄星選手はメジャーリーグという日米のトップレベルで戦い続けてきていますが、このような海千山千の猛者が集う世界では、菊池雄星選手であっても自身のことを、特別な才能に恵まれたわけではない一人の野球選手であると認識しています。

本書は、一流の環境の中では特別な才能に恵まれたわけではない一人の野球選手が、どうやって日米のトップレベルで戦い続けてきたのかについて、その考え方と、日々の習慣をまとめたものです。

77の習慣毎にタイトルが分かれており、読みやすく、読み返しやすく、ちょっとずつでも読める内容となっています。

一流の世界で活躍する著者から見た、一流選手(ダルビッシュ有、イチロー、アーロン・ジャッジ、石井一久、大谷翔平など)の姿がリアルでした。

また野球を中心とした日米の文化の違いなども、現地で活動する著者だからこそ感じれるものであり、興味深かったです。

今回は菊池 雄星さんの著書、「こうやって、僕は戦い続けてきた。 「理想の自分」に近づくための77の習慣」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • ビジネスパーソン
  • 「自分には才能がない」と悩んでいる人
  • 自分の「軸」が定まらず、周囲の意見に流されやすい人
  • 本番に弱く、プレッシャーに負けてしまう人
  • 失敗を引きずりやすく、切り替えが苦手な人
  • 完璧主義すぎて、一歩が踏み出せない人
  • 高いレベルを目指すアスリート(学生・社会人問わず)

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

この記事では個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分だけを断片的に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。

極端=流行る

人は、つらい状況のときや、スランプに陥ると判断力が鈍ります。

著者自身もアスリートですので当然そのような場面がありました。

調子が悪いときこそ、何か新しいことや突飛なものにすがりたくなってしまうものです。

著者自身もいまだに、そういう衝動に駆られることがないわけではないといいます。

しかし、著者が肝に銘じているのが、「極端=流行る」ということです。

「○○がすべて」「○○が9割」という言葉は極端で魅力的に思え、調子が悪いときはすがりたくもなりますが、少なくとも著者が活動する野球の世界ではそのような極端なものは存在しないといいます。

結局、毎日地道に同じメニューやリハビリを続けることが最短の道なのです。

なぜこの内容が響いたかというと、現代は人々の注意を引くために刺激的な情報で溢れているからです。

極端な情報は正しくなくても広がりやすいという側面があります。

現代社会を生きる私たちは、「極端なものを疑う」ということを改めて意識しなければなりません。

誤解される期間を耐える

元アップルのCEOスティーブ・ジョブズは「誤解される期間」を耐えなければならないという言葉を残したそうです。

野球の世界でも同じことをして、18歳の頃は「生意気なやつ」と言われ、28歳になると「変わったやつ」と呼ばれ、 そして38歳にもなれば「さすが」と称賛されるようなことがあるようですが、このことは野球に限らず、私の日常でもあります。

何を言うかよりも、誰が言っているかに引っ張られることがビジネスシーンでも非常に多いように感じます。

最近は世の中そんなものだと割り切っています。

成功哲学の第一人者で、世界中で今も読まれ続けている『思考は現実化する』の著者であるナポレオン・ヒルは「何を差し出すかを決める」ことが成功には不可欠であり、「この世は代償を必要としない報酬など存在しない」と言ったそうです。

著者はこの本に中学3年生で出会ってから、「友達と遊ぶ時間」を削り、「人から付き合いが悪いと言われる」ことを「代償」にしたそうです。

誘いを断ったり、自分の意見を言ったことが 理由で付き合いがなくなるような関係性だとしたら、そこまでの関係性でしかなかったということです。

何かを目指すなら、繋げる代償を決めるべきです。

苦手な人が増えたり、嫌われたりすることも代償として支払う覚悟が時には必要なのです。

成功よりも失敗から学ぶ

成功の形は一つではありません。

成功には運の要素もあり、複合的な要素が重なった結果であることも少なくありません。

だから、誰かの真似をする必要はないといいます。

しかし、失敗するときは、多くの場合、共通点があるといいます。

だからこそ、そこから学ぶべきことがあるのです。

一流の習慣を一つひとつ真似るよりも、失敗に共通する原因を徹底的に潰していくこと。

著者が大切にしているのは、失敗から学ぶということです。

再現性という意味では失敗の方が共通項があるので、成功よりも、学ぶ価値があるというふうに捉えました。

環境は「人」でつくる

高級なソファや高級車などのモノで得られる臨場感は一過性で、数ヶ月経てば当たり前の風景になり、また新たな刺激が欲しくなります。

一方で高級なソファに座っていても投球術が向上するわけではないし、速い車を運転しても投げる球が速くなるわけではありません。

そこで著者は、環境を「モノ」でつくるという考え方をやめて、環境は「人」でつくる方向に大きく舵を切ったといいます。

それからは、何を持っているか、どんな家に住んでいるかが重要なのではなく、誰と時間を共にし、誰とどんな言葉を交わすか、それこそが自分を形づくる「環境」なのだと考えるようになったといいます。

高級車を買うことが大切なのではなく、「買った車の助手席に誰を乗せ、どんな未来を語るか」が大切だと考えるようになったのです。

誰と出会い、誰と話し、誰と過ごすか。

「環境=人」という考え方を著者は大切にしています。

人気

時期やタイミングによって人気というのはあっけなく移り変わっていきます。

そんな「無常」なものを追いかけても、良いことは何もありません。

もちろん、人気はないよりもあったほうが嬉しいものですが、それはあくまで自分らしく生きた後の「結果」であるべきだといいます。

自分の言いたいことやしたいことを実行した結果として、理解してくれる人が増えたら嬉しい。

その程度の距離感で留めておくことが大切なのではないかというのが本書の主張です。

実社会に置き換えると、SNSのフォロワー数などとらわれ過ぎてはいけないということかと思います。

SNSのフォロワー数を稼ぐため、人から憧れの目で見られるために、公開できる生活をするのではなく、自分がしたいと思う生活をすればよいのだと思います。

大数の法則で目先の結果に一喜一憂しない

メジャーリーグでは、1試合の平均得点は約4.5点だそうです。

これは何を意味するかというと、投手として9イニングを投げて失点を4.5点に抑えることができれば、チームが勝てる確率は50% になるということです。

すべての試合を完投するのは現実的ではありませんので、仮に6イニングで換算した場合、3失点に抑えることができれば、その投手が投げている試合で、チームは50%の確率で勝てる計算になります。

この「6回3失点」という数字が、投手にとっての一つの基準点、いわば物差しになっているそうです。

この基準よりも失点を一つでも減らす、あるいは、アウトを一つでも多く取る。

そのわずかな上積みが、チームの勝つ確率を50%から少しずつ、しかし着実に上げていくという世界です。

しかし、「6回3失点」に抑えたとしても、勝率は50%なので、日によっては、味方打線の援護が得られずに負け投手になってしまうことも当然あります。

「6回3失点」に抑えるという投手としての役割を十分に果たした上で、負けるようなことがあれば、その結果に対しては過度に落ち込まないということになります。

野球の世界では、「勝ち運がある」「勝ち運がない」といった言葉がよく使われます。

1年という単位で見ても、実力以上に勝ち星がつく期間もあれば、なぜか全く勝てない不運な期間もあります。

短期的な数字のぶれは、間違いなく存在します。

それでは、この短期的な数字のぶれに対して、過度に感情を揺さぶられないためにはどのような姿勢でいるべきなのでしょうか。

そこで本書で述べられていたのが「大数の法則」になります。

短期的な数字のぶれはあっても5年、10年とプレーを続けていけば、大数の法則が作用し始めます。

つまり、「6回3失点」に抑えるという投球を続けていればその結果に収束するということになります。

一時的な運の偏りはやがてならされ、最終的にはその投手が持つ本来の実力通りの数字に近づいていくと考えます。

著者は「大数の法則」という言葉を知ってからは、目先の1試合、一つのプレーに一喜一憂することは、極力避けたいと思うようになったといいます。

目先の結果に一喜一憂せず、長期視点で考えることの大切さを学びました。

期待値のコントロール

著者が大切にしている言葉の一つに、「No expectation, No disappointment.」というものがあります。

直訳すれば、「期待しなければ、失望することもない」ということになります。

もちろん、目標を高く持つことはアスリートにとって不可欠です。

しかし、自分自身に対して過度な期待をかけ過ぎると、それが達成できなかったときの反動で、必要以上に落ち込んでしまうことがあります。

だからこそ、「ダメで元々」くらいの、ある種の開き直りのような気持ちで物事に臨むことも、ときには大切だというのが著者の考えです。

自分への期待値を適切にコントロールすることで、心の負担を軽くし、余計なプレッシャーから解放される。

そうすることで、かえって良い結果につながることもあると考えています。

著者が活躍するメジャーリーグでは、超一流の選手たちが、思うような結果が出ずに苦しんでいるときによく口にするのが、 「Today is not my day.」(今日は、俺の日ではなかったな)という言葉だそうです。

これは、決して諦めの言葉ではなく、「今日はたまたま自分の力が発揮できなかっただけだ。でも、明日はきっと自分の日にしてみせる」という、揺るぎない自信と次への決意が隠されています。

先程の大数の法則についての考え方も、期待値のコントロールの一つだと感じました。

目先の結果に一喜一憂せずに、中長期的に期待値を上げる取り組みを普段からすることで、結果はついてくると考えているのではないかと感じました。

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