人を選ぶ技術|小野 壮彦 著

本を手に取ったきっかけ・感想

Pivotの対談で興味を持った本です。

私自身は、人事業務をやっているわけではなく採用面接をする機会もあまりないのですが、誰と仕事をするか、誰を起用するかは、プロジェクトなどの成功を大きく作用します。

しかし、人を選んだり、仲間を集めたりするノウハウが書かれている本はあまりありません。

本書を読むことで人を見極める力を身に着けます。

小野 壮彦さんの著書「経営×人材の超プロが教える人を選ぶ技術」を紹介します。

この書籍がオススメの人
  • 採用面接をする機会が多い人
  • マネージャー
  • 仲間集めをする人
  • 経営者

人生に取り入れたい文脈

本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。

個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分を中心に取り上げています。

必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、本記事は単なる要約ではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。

相手の心の扉を開くには自分の心の扉を開く

私自身が今のところあまり人を採用する機会がないということもあり、本書の中では人を見極める技術よりも、人を見極めるために、相手の深いところを引き出す技術の方が参考になりました。

人を選ぶためには、相手の深いところまで引き出して、判断をする必要があります。

企業で人を採用する場合は、それを限られた期間の中で行わなければなりません。

なぜ私が本書を読んでここの部分に注目したかというと、他人との信頼関係を深める際にも重要なノウハウであると感じたからです。

宮本 佳実さんの著書「どんな相手も味方になる感じのよい伝え方」にて、人は、自分のことをたくさん話せた相手に好感を持つということが述べられています。

どんな相手も味方になる感じのよい伝え方|宮本 佳実 著

ただし、企業の採用のように人を選ばなければならないシーンでは、相手の深いところを引き出すのは至難の業です。

採用を受ける側も、採用する側に好印象を持たれるように取り繕おうとする力が働きます。

相手の深いところに降りたければ、自分自身の深いところの話も明らかにしながら、お互いの心の襞を一枚一枚めくっていくことが重要になります。

著者の場合ですが、次のように自己開陳して相手の心の扉を開きます。

「前の会社の最後のほうは辛かったですね。新規事業をやっていたんですが、至らなかったことも多く、最後は会社の方針で、事業を撤退することになったんです。で、一緒に頑張ってきた仲間をクビにしなきゃいけなくて……。中には泣き出す人もいて、本当に辛かったです」

「そんなふうに、事業をやっていると、辛いことってあるじゃないですか」

「あなたの場合はいかがですか?」  

ここまで自己開陳して、自分をさらけ出して見せれば、「そこまで話をしてくるんだったら、こっちもしゃべろうかな……」となるのではないでしょうか。

相手の心を開くには、自分をさらけ出し、心の扉を開く必要があります。

私自身はこれがかなり苦手なのですが、自己開陳で、こちらの人柄や人間性を相手にお伝えすることで、人と人との信頼関係を深めることができるのだと思います。

自分の弱みを口に出す

自己開陳には自分の弱みもさらけ出すと良いでしょう。

著者の場合、自分が素になるためにあえて、自分の弱みを口に出すことに慣れる訓練をしているそうです。

「俺って、ほんと家事とか苦手なんだよね」

「しょっちゅう携帯をなくしちゃうんだよ」  

といった一言を、人を見る場だけでなく、普段の会話の中に織り交ぜます

シリアスな弱点ではなく、クスッと笑えるドジな自分をさらけ出します。

自分の弱みをさらけ出すというのは人によっては勇気がいることかと思いますが、そういう姿を普段から口に出していると、自然と〝自分のバリア〟を下ろすことができます。

タメ語風言葉

これは、私もたまにやりますが、〝タメ語風言葉〟をちょっとだけ意識してまぶして会話に使います。

例えば「素晴らしいですね」 を次のようなタメ語風に変換します。

「すごくないですか、それ?」

「めちゃくちゃいいですね!」

「マジですか!やばい!」

そうすると相手も、〝こういうタメ語っぽい言葉を使っても OKな人なんだ〟と緊張感が和らぎます。

コツは、リアクションを入れる時に使ったり、自分語りをする時に崩してみたりすることです。

人選びに必要なのは「意見」ではなく「ファクト」

本書では相手の深いところの話を聞き出すノウハウが参考になりました。

人選びには相手の「意見」をいかに引き出せるかではなく、相手の「ファクト」をいかに引き出せるかが重要になります。

しかし、多くの面接会場では、「そのような場合は、こうするべきだと思います!」といったインタビュイーの意見表明の場になってしまっていると述べられています。

意見はあくまでもフィクションであり、その人の実態でも、能力でもありません。

人を見る上では必要のないことです。

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