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メガバクテリア診断前後の症状と経過まとめ
今まではオカメインコの記事は日記形式で書いていましたが、ここで日記形式の情報を集約し、メガバクテリア(以下、AGY)に診断されるまでの症状と診断された後の経過、その時専門医から受けたアドバイス、筆者が講じた対策についてまとめます。
AGYは元気なうちに早期発見をして、AGYが潜伏しているならば早めの対策をすることが重要そうです。
生後半年になると、 AGYは検出が困難なようで、免疫力が低下して症状が現れないとわからないケースも多いようです。
AGYは一旦体を蝕んでしまうと非常に厄介です。
AGYはオカメインコにとっては決して珍しいものではありませんので、愛鳥家のみなさんも早期発見できるように愛鳥をよく観察しましょう。
ホワイトフェイス・シナモン・パールパイドのプロフィール
記事の内容にも関わってきますので、前提条件としてメガバクテリア(AGY)で苦しんだオカメインコのプロフィールについて紹介します。
名前はハクちゃんといいます。
2ヶ月齢のホワイトフェイス・シナモン・パールパイドです。
初診日:オカメインコの食欲不振が気になり受診
体重は中々増えず、食が細かったので病院に連れていきました。
触診や便を顕微鏡で見てもらって精密に診察をしてもらいました。
診察の結果は以下のようなものでした。
- そのうの状態が良くない
- 飢餓便が出ている
- 菌や寄生虫はいない
- 痩せている
獣医は触診でそのうの状態が良くないのが分かったらしく、これを治せば食欲も上がるのではないかとのことでした。
食が細いことに起因する飢餓便が出ていました。
胃液に由来する緑色が濃い便が特徴のようです。
当時体重は70g台でしたが、インコの飼育に慣れている人からすると70g台は心配とのことで、やはり専門医が見てもガリガリとのことでした。
初診日ではまだメガバクテリア(AGY)であることは特定できず診断名はつけられませんでした。
初診後の対策
粟は少なめで、ビタミンなどを摂取できるようバイタルパウダーは多めにするよう専門医よりアドバイスを受けました。
ケージの中の止り木や遊び道具は全て取り除き、餌を食べるしかない環境を作るようアドバイスを受けました。
また、歩けば足に餌が当たり、拾い食いができるよう、餌をたくさん床に撒いたほうが良いと言われ実行しました。
初診から1週間後の経過
これまではケージの中の止り木や遊び道具にとまり、じっとしていることが多かったのですが、獣医師さんからのアドバイスの通り上記の様に環境を変えた結果、様子を見る度に拾い食いをしてくれるようになりました。
獣医師さんはハクちゃんの月齢から考えて、まだ遊び道具は早いかなと言っておられましたが、環境を変える効果はしばらく実感できていました。
体重も夕食後には82gと朝食前の74gから大きく増えました。
再診及び初診から2週間後の経過
感覚的には経過が良くなっている感じはしていましたが、再び動物病院に連れていきました。
そのう液や便の検査なども行い、再診結果は以下のようなものでした。
- そのうの状態が良くなっている
- 飢餓便が改善されている
- 白血球数や、菌も減っており免疫が改善している
- 薬は半分に減らして、飲みきって経過に問題なければ再来院不要
メガバクテリア・AGYの診断日(初診から2週間半後):症状は?
数日は状態が少し良くなっている感じだったのですが、体調が悪化し、時間外で再度動物病院に連れて行くことにしました。
以下のような状態が気になっていました。
- 鳴き声が出なくなる
- 開口呼吸
- 傾眠
- 食欲不振
- あまり動かない
上記の症状について、3回目の通院で原因の一つが分かり、AGY・メガバクテリアが検出されました。
厄介な感染症らしいのですが、インコにとっては珍しいものではないようです。
食欲不振や体重減少はこのAGYが原因とのことです。
検査内容(そのう液検査、便検査)自体は前回の受診と変わりませんが、今回の検査でAGYが初めて分かりました。
AGYは親鳥からヒナへ垂直感染するようで、免疫力低下と共に発症するようです。
ですので、ブリーダーの飼育下でAGYに感染し、免疫力が低下したここ数日で症状として強く現れた可能性があります。
最初は個性なのかなと思っていましたが、もう一羽の同じ月齢のオカメインコと比較して、餌の食いつきは飼い始めたときから悪い状態でした。
厄介なことにハクちゃんの場合、このAGYに加えて呼吸器系にも問題がありました。
AGYの症状には嘔吐もありますが、嘔吐物が気道をつまらせ、死に至るということもあるようです。
ここまで経験をして分かったことは、 AGYは1回の動物病院受診だけでは分からないケースもあるということです。
筆者がお世話になっている動物病院は鳥を専門とする先生がおり、そのう液や便の検査など、比較的精密で必要な検査をしてくれた場合でも、3回目の受診でAGYを特定するに至りました。
オカメインコの病態が悪化したタイミングでもあったことから、免疫では抑えきれなくなった状態でAGYが検出しやすくなるものなのでしょうか?
実際は分かりませんが、経験から少なくとも言えることは1回の受診では原因特定に至らない可能性があるということです。
診断後の対策:うつるのでケージを分けることに
AGYは親鳥からヒナへ垂直感染するか、感染している他の個体の排泄物を経由してうつるそうです。
筆者はオカメインコを2羽を飼っていて、AGYが排泄物を経由してもう一羽に感染する場合もありますので、ケージを速やかに分けました。
呼吸器系と消化器系のダブルパンチで余談を許さない状況でした。
診断日から3日後(初診から3週間後)
昨日、残念ながらハクちゃんは落鳥してしまいました。。。
亡くなった時は仕事をしていたため、死因は不明でしたが、落鳥日は口を開けて苦しそうに呼吸をしていてかわいそうでした。
落鳥日朝の体重も72gまで落ちていました。
ハクちゃんは獣医師から消化器と呼吸器のダブルパンチ状態と言われていました。
AGYの症状には嘔吐もありますが、嘔吐物が気道をつまらせ、死に至るということもあるようですし、気道が詰まれば30秒後には死ぬと獣医師には言われていました。
非常に危険な状態ではありました。
インコはさし餌卒業までの落鳥率が高いと言われており、ハクちゃんはさし餌を卒業できるかどうかの境目でしたが、卒業するまでに落鳥してしまいました。
近くで見ていた感じでは、呼吸器の問題の方が致命傷だったように感じます。
病態もここ数日で急速に悪化していました。
今回の経験で学んだこと
今回の経験で学んだことについて改めて以下にまとめておきます。
1回の検査では分からないことも
AGY・メガバクテリアは1、2回の検査では検出されないことがあります。
ハクちゃんの場合は、免疫が落ちて体調の急激な悪化が見られた3回目の通院で検出されました。
オカメインコの体調変化で気なった場合できるだけ早く専門医に見せること、さらに1回の通院で経過良好と判断されても、その後の体調変化があった場合、1回目の専門医の判断に関わらずできるだけ早く再診を受けたほうが良いでしょう。
鳥専門医に診てもらいましょう
ハクちゃんの場合、そのう液や、排泄物の検査をしてAGYが潜伏していることが分かりました。
そのような検査まで対応してくれる鳥専門の動物病院を見つけた方が良いでしょう。
筆者が連れて行った動物病院は鳥の専門医がいたのでそこまでしてくれましたが、最初に連れて行った動物病院ではそこまでの対応はされませんでした。
感染対策
筆者のように2羽を飼っている場合、AGYが排泄物を経由してもう一羽に感染する場合もありますので、ケージを速やかに分けた方が良いでしょう。
今回の内容が参考になれば幸いです。