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本を手に取ったきっかけ・感想
今回は松橋 良紀さんの著書「うまく「雑談できる人」と「できない人」の習慣」を紹介します。
雑談力に関する書籍は何冊か読んだことがありまして、その中でも「すごい雑談力」が同じ著者の書籍でした。

日常での人との会話で心がけたい内容が多くありました。
- 雑談ができるようになりたい人
- 人間関係を円滑にしたい
- 職場での会話が苦手
- 初対面の人とうまく話したい
- ビジネスパーソン
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
個人的に共感した部分、覚えておこうと感じた部分、人生に取り入れてみたいと感じた部分を中心に取り上げています。
必ずしも書籍の内容の全体を俯瞰しているわけではありませんし、本記事は単なる要約ではありませんので、詳細は書籍を購入して確認してください。
世間話では深い関係を築けない
場をつなぐために 「最近こんなニュースがありましたよね? ご存知ですか?」などと、スポーツや芸能のニュースなどを話す人は多いです。
その場から遠い世界の話をすることで、相手に深く入りこまないように配慮しているとも言えます。
世間話は場を繋いだり、沈黙を回避する役割を果たすことができるかもしれませんが、雑談を通した人間関係の構築にはあまり役割を果たしません。
以下の「超 雑談力|五百田達成 著」では調べれば分かる冷たい情報や、共通の知人の話も人間関係を構築するという意味ではベストな話題ではないと述べられています。

ニュースなど遠い世界の話ではなく、お互いが経験したことと、経験から感じたことをシェアすることで、お互いの人となりが分かり、人間関係を構築することができるのです。
残念ながら、安全領域にいる限り、人と深い関係を築けることはありません。
勇気を出して、相手の名刺を元に、さまざまな情報を引き出していきましょう。
最近は名刺を持たず、SNSで繋がる人も多いですので、その場でSNSを開いて相手のプロフィール情報を元に、話を広げていくのもいいでしょう。
相手の興味を知るまでは、話を狭めない
私も意識しなければやってしまっている可能性があったり、今後もやる可能性があると感じましたので取り上げました。
簡単な例を挙げると、相手が
「休日に千葉に行ってきました。」
と話しかけて来たら、
「私も半年前にディズニーランドに行きました。」
とか
「私は実家が千葉ですのでよく行きます」
などと返すのではなく、
「千葉に行ってきたんですか?どうでした?」
などと返しましょう。
前者は、相手の興味を知るまでに話を狭めてしまっていることが分かります。
もし、相手がディズニーランドではなく、千葉の他の場所に行って楽しかった経験をシェアしようとしていたとしたら、結果的に話泥棒になってしまっていることが分かります。
相手の興味を知るまでは、話を狭めずに聞き出しましょう。
そして興味や関心の矛先がわかったら、その部分 に集中して質問をすることで、話をどんどん深めていきます。
第三者話法
企業が製品やサービスを普及させる時に、企業発で宣伝するだけではなく、権威のあるKOL(キーオピニオンリーダー)やインフルエンサーを通じて消費者に訴求メッセージを届けてもらうということが一般的に行われています。
また、私たちは商品やサービスを選ぶ時に、口コミを参考にしてお金を払うかどうかを判断します。

企業から勧められると、構えてしまいますが、権威のある人が認めたものや、同じ消費者の立場の人が勧めると安心して購入してしまいがちです。
このことは、相手に行動変容を促したいときにも通じる考え方になります。
「私の意見なんだけどさ」と指示や要望をいうと、説教や説得となり、聞き手の耳はふさがりやすくなります。
「友人の話なんだけどさ」などの第三者話法で話すと、聞き手は押し付けられた感覚がなく、リラックスをして話を受け取ることができます。
このことは、雑談だけではなく、子育てや人材育成にも活用できるノウハウだと感じました。
第三者話法を使いこなすことで、人間関係をスムーズに維持しつつ、潜在意識に直接メッセージを届けることができます。
謙遜させない
相手が褒めてくれているのに「そんなことないです。」というように、過度に謙遜をすることは、相手の好意や気持ちを否定していると捉えられるリスクがあるということはよく聞かれます。
一方で、本書では褒める側の褒め方について、言及されており、私にとっては新しいノウハウでした。
それは、相手に謙遜させないというものです。
例えば、
「〇〇さんって、どうしてそんなに文章がうまいんですか?」
という言い回しはどうでしょうか?
すでに相手の文章がうまいということが前提での褒め言葉になっており、さらに相手への尊敬を元にそのノウハウまで聞き取ろうとしています。
言われた方にとって、「文章がうまいかどうか」よりも「どうしてうまいのか?」という質問の方に意識を向けざるを得なくなります。
この質問をされると、言われた側は自動的に「うまい理由はなんだろう?」と検索を始めてしまい、謙遜へ意識が向かうことがなくなります。
正確な情報確認よりも共感重視
相手が楽しかった出来事をやや興奮した状態で伝えてきた時に、聞き手が正確な情報を聞き出すために立て続けに「誰が?」「何を?」「いつ?」「どこで?」「なぜ?」「どうやって?」「どれくらい?」と尋問のように質問をしてくると、興奮した気持ちも冷めてしまう結果につながることは容易に想像ができるでしょう。
5W2Hは、情報伝達には欠かせません。
しかし、このビジネスライクな正確な情報伝達を、プライベートに持ち込むと、共感がおざなりになってしまうのです。
極端な話、雑談で話すことは内容がスカスカであっても、相手の気持ちを受け止めたり、共感することを重視したほうが良いでしょう。

プロセスを褒める
雑談という文脈で取り上げられたものですが、子育てや人材育成でも重要な内容だと思いましたので取り上げました。
アドラー心理学では褒めると上下関係を作ることになるため、相手のプロセスを認めることを推奨しています。
結果を褒めるリスクは、上下関係を作ってしまうのに加えて、ほめられた人が評価を落とさないようにするために行動をしなくなるリスクがあると本書では述べられています。
これは、結果だけではなく、能力を褒める場合も同様になります。
「いい結果が出てよかったね。でも結果はともあれ、よくトライしたね」と、努力のプロセスの方をほめられた子どもは、より一層チャレンジするようになります。
