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本を手に取ったきっかけ・感想
図書館の返却棚にあり、タイトルと目次に惹かれ、偶然手に取った本です。
偶然出会った本ですが、自分自身があまり深く意識せずに取り組んでいた習慣の効果が言語化されていました。
今回は、上阪 徹さんの著書「メモ活」について紹介をします。
- ビジネスマン
- 文書が苦手な人
- コメント力を鍛えたい人
- スケジュール管理に悩んでいる人
人生に取り入れたい文脈
本も読むだけではなくて、行動に移さなければ意味がありません。
ここからは個人的に、人生に取り入れようと感じた、文脈や文意をいくつか紹介していきます。
デスクでやるべき仕事もスケジュール帳に書き込む
皆さんは仕事でGoogleカレンダーやOutlookのカレンダーを同僚やチームメンバーと共有しているでしょうか?
私自身は共有していて、空いている時間帯は相手側からも打ち合わせを設定できるようにしています。
打ち合わせや会議との間の時間にやるようなデスクでやる仕事は、上記のような背景から、カレンダーに入れないようにしていました。
カレンダーに入れると、相手が気をつかって打ち合わせやミーティングを設定できないと勘違いされる可能性があるからです。
一方、本書ではデスクでやるべき仕事もスケジュール帳に書き込むことをおすすめしています。
自分の時間は本当はいつ空いているのか、コントロールできなくなるというのが理由になります。
日々のスケジュールをコントロールする以外に、もう一つの理由として挙げられていたのは、後から振り返られる点です。
「そういえば、このころはどんな仕事をしていたのかな」 ということがあとから見えてくるという利点があります。
私自身も過去のスケジュールを見返して思い出す場面が結構ありますので、取り入れようと思いました。
私自身は、現在、紙のスケジュール帳は一切使わずGoogleカレンダーやOutlookのカレンダーを使っています。
一方で本書は、他の人が基本的に閲覧することはない紙の手帳のスケジュール帳を想定して書かれています。
そのため、私のようにGoogleカレンダーやOutlookのカレンダーでスケジュール管理している人によっては、一部当てはめられるかどうかわからない点があることはお伝えしておきます。
ただ、少なくとも私は実践するに値する感じた内容が本書にはいくつもありました。
スケジュールを1時間単位で組む
大量の仕事をいつも引き受けていた筆者は、すべてのスケジュールを1時間単位で組むようになりました。
スケジュール管理がしやすいというのが理由です。
業務として1時間以上かかるものでも、いきなり手をつけずに、スケジュール帳の仕事を1時間ずつ「小分け」します。
スケジュール帳に書かれた「時間割」通りにやれば、確実に仕事は終わるように計画を立てます。
例)インタビューから原稿作り |
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「移動時間」 ↓ 「取材」 ↓ 「移動時間」 ↓ 「ICレコーダーをチェック」 ↓ 「構成案作成」 ↓ 「ざっと原稿執筆」 ↓ 「推敲」 |
例)企画書づくり |
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「資料集め」 ↓ 「骨子づくり」 ↓ 「仕上げ」 |
例)講演用のスライドづくり |
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「要素出しのまとめ」 ↓ 「構成」 ↓ 「スライドづくり」 |
1時間では長すぎる場合の小分け方法としてポモドーロ・テクニックが本書では紹介されています。
- 25分間、タスクを行う
- 5分休憩する
- 1 ~ 2 を4回繰り返す
- 長い休憩(15~30分)をとる
スケジュールを1時間単位で組む際に「アイデアを出す」「構成要素を出す」「企画を考える」といった仕事は、スケジュールには組み込みません。
1時間考えたところで、出てくるものではないからです。
著者の場合、アイデアは、最終的にまとめる時間を1時間はつくりますが、あとは移動中などに考えています。
みなさんはデスクに座ってウンウンうなってもアイディアが出てこない経験や、電車の中やシャワーを浴びている時に突然アイディアが思い浮かうような経験はないでしょうか。
私も、一旦仕事を離れた場面でアイディアが浮かぶことがよくあります。
著者の場合、時間が奪われるだけだから、考え込むものは、デスクではやらないと心がけているようです。
日々の雑感メモでコメント力を鍛える
著者はある経営者にインタビューをしたときに、テレビなどでコメント力を発揮しているのは、その経営者のスケジュール帳の使い方に秘密があるのではないかと考えました。
それがどのような習慣なのかというと、日々の雑感をスケジュール帳にメモする習慣になります。
毎日、ひとりでコメントをメモしていきます。
スケジュールを書く代わりに、スケジュール帳に毎日、思いをメモします。
すると自分の感情に素直に向き合う習慣がつきます。
そのため、すぐに感想を言えるようになります。
すぐにコメントできるというのは、そういう訓練を今も毎日続けることができているからではないかと著者は考えました。
コメント力を鍛える習慣としては皆さんも参考にできるのではないかと思います。
自分の意見や感想、質問などを会議メモする
コメント力を日々の業務で鍛える手段として、自分の意見や感想、質問などを会議でメモしていきます。
これは、私もたまにしかやっていませんでしたが、本書を読んでもっと積極的にやろうと思いました。
会議にただ出席するのではなく、会議では自分なりの感想を必ず持つようにします。
誰かの発言に対してどう思ったか。
どんなことを感じたか。
感想を記しておきます。
また、誰かの意見に対して、こんなことをやったらいいんじゃないか、などと考えてみます。
そして、メモしておきます。
さらに、質問も考えてみます。
このタイミングでこういう質問をしたら、ほかの人はどう反応するか。
シミュレーションしてみます。
コメント力を鍛えるだけではなく、思考力も身につきそうです。
形容詞ではなく「素材」 を使う
私はブロガーとして文書を書く機会が多いですが、このことは言われてみれば確かにと感じた点になります。
以下の文章を見て、大人が書くものとしては少し幼稚に感じた人は少なくないかと思います。
- 今日は楽しかった
- 図工が面白かった
- 動物をたくさん見た
- 勉強が大変だった
形容詞や形容する言葉は文章を幼稚にするのです。
これらをより伝わる文章にするために、「素材」を使うということを本書ではおすすめしています。
例えば「すごく寒い」 という表現を「すごい」も「寒い」も使わないとすればどうするかを考えてみます。
形容詞や形容する言葉を使わないという縛りがあると「素材」に目を向けざるを得なくなります。
- 温度計は氷点下10度を指していた
- 軒下のツララは20センチにもなっていた
- 吐き出した息はあっという間に真っ白になった
「すごく寒い」というのが伝わるかと思います。
「素材」すなわち事実、数字、エピソードを用いて表現をします。
超スピード文章術
私もブログなどの文章を書くので、この「素材」集めの重要性はなんとなく感じていましたが、本書ほど言語化はできていませんでした。
「素材」 があれば、 書くスピードが上がります。
理由は単純で、形容する言葉を考えなくてよくなり、言葉を探さなくてよくなります。
「素材」をメモしておいて、そこから文章を組み立てていけば文章をゼロから書かなくてよくなります。
文章をゼロからつくろうとするから、時間がかかるのです。