医薬品マーケティングとPATDAYという単位ついて

製薬業界のマーケットシェアの考え方とPATDAYについて

世界医薬品売上ランキングに載ってくる医薬品はその順番で患者さんに多く使われているかというと、必ずしもそうであるとは限りません。

あまり一般の方には馴染みがないかもしれませんが、今回は医薬品の売上構成要素とマーケットシェアの考え方について解説していきたいと思います。

特にヘルスケア・製薬業界に興味を持っている方、転職で業界研究をされている方はPATDAYという単位を見る機会があるかもしれませんが、記事の最後の方で解説します。

医薬品の売上の計算方法

医薬品の売上ランキングは必ずしも、よく患者さんに使われているランキングではないという話を冒頭にしました。

その理由は医薬品の売上構成要素を見ていただくとお分かりいただけるかと思います。

売上 = 患者数 ✕ 患者あたりの年間治療費

患者あたりの年間治療費をさらに分解すると以下のようになります。

患者あたりの年間治療費 = 患者あたりの年間投与日数 ✕ 1日あたりの治療費

患者あたりの年間投与日数は、例えば1日1回服用しなければならない錠剤の場合は365日となります。

実際は365日服薬遵守できない方や、途中やめてしまう方もいますので、アドヒアランス率(服薬遵守率)が掛け合わさった値が売上に反映されることになります。

医薬品を服用している患者数

一般消費財のようにユーザー数をある医薬品のシェアとする考え方でも間違いではないと思います。

しかし冒頭でも触れたように、患者数のシェアが高い順に医薬品の売上が高くなっているかと言われると必ずしもそうではありません。

売上を構成する要素の中には、先程紹介した治療費すなわち薬価も大きな要素になってきます。

一般的には、指定難病のような患者数が少なくて治療選択肢の少ない疾患は高薬価がつくケースがあります。

このように、同じ薬でも適応の疾患によって単価が大きく変わってきますので、単純に違う疾患で同じ患者数に使われたとしても、売上高が同じになるとは限りません。

また、同じ患者数でも服薬頻度が多い薬剤は、数量ベースのシェアという意味では大きなシェアになりがちです。

これについては次のパートで解説します。

PATDAYとはどういう単位?

PATDAYという言葉は一般の方にはあまり馴染みがないのではないかと思います。

製薬業界の方や、転職で業界研究をされている方はPATDAYという単位を見る機会があるかもしれません。

PATDAYはPatientdayの略で患者数 ✕ 日数を表しています。

この日数は1人の患者さんあたりの日数です。

当然ながら薬にはそれぞれ用法が定められています。

1日1回365日服用しなければならない錠剤があれば3ヶ月に1回来院をして注射をするようなものもあります。

以下の簡単な例では、年間5人の患者さんに投与された注射剤で、5人とも3ヶ月に1回、すなわち年4回(日)投与した場合のPATDAYを示しています。

PATDAYは5人 ✕ 4日= 20になります。

PATDAYは患者数 ✕ 患者あたりの投与日数になりますのでPATDAY ✕ 1日薬価で売上が算出できることになります。

またPATDAYは金額ではなくて販売数量でも使うことができます。

PATDAY ✕ 患者あたりの1日数量(例えば1日2回服用の錠剤ならば2)で販売数量を求めることができます。

いかがでしたでしょうか。

医薬品のシェアを患者数で見る場合と、売上数量で見る場合で違った見え方になることがあります。

高い売上を上げるには、投与頻度が多い薬が有利じゃないかと思われるかもしれませんが、患者さんや医療従事者の立場からするとそのような利便性の悪い薬は敬遠されてしまいますので、結果的に使われる患者さんも限られてしまう可能性があります。

ですので、新薬を開発する側の人間は基本的には革新的なエビデンスの医薬品を創出し、一人でも多くの患者さんに望まれるような医薬品を世の中に送り出すということを考えているはずです。

今回の内容が参考になれば幸いです。

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