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住民税特別徴収税額決定通知書のふるさと納税の還付金が少ない理由
以下のような住民税特別徴収税額決定通知書が手元に届くと、ふるさと納税による還付金を確認することができます。
市民税の税額控除額と県民税の税額控除額の欄に記載されているケースや、(摘要)に寄付金税額控除額(市):31,514円、(県)21,010円と記載されているケースもあります。
住民税特別徴収税額決定通知書を見ると、ふるさと納税額と一致せず、少なくなっている場合があります。
今回は、その理由について考えられるものを挙げます。
所得税からの控除額を確認
あなたが確定申告をした人ならば、住民税だけではなく所得税からも控除されますので、確定申告書と住民税特別徴収税額決定通知書の両方から照合する必要があります。
尚、ワンストップ特例制度を利用した人は住民税から全額控除されますので住民税特別徴収税額決定通知書で還付金の確認を行いましょう。
①所得税からの控除
例えば72,000円ふるさと納税を行い確定申告をした場合、所得税からの控除額は以下のようになります。
(ふるさと納税額72,000円-自己負担額2,000円)✕「所得税の税率」✕1.021(復興特別所得税)
所得税の税率は以下になります。
②住民税からの基本控除
次に住民税から引く金額ですが、基本控除額は以下になります。
(ふるさと納税額72,000円-自己負担額2,000円)✕税率10%=7,000円
③住民税からの特例控除
さらに住民税の特例控除というのがあり、(ふるさと納税額72,000円-自己負担額2,000円)から①の所得税控除額と②の住民税基本控除額を除いた額が所得割額から税率をかけずに全額控除されます。
①~③を図でまとめると以下のようになります。
ただし、この住民税の特例控除は所得割額の2割が限度になります。
言い換えると住民税(所得割額)の20%が最も効率が良いふるさと納税の寄付額ということになります。
住民税特別徴収税額決定通知書に記載された還付額が少ないように感じた場合、所得割額の2割をオーバーしていないかどうか確認しましょう。
住宅ローン控除の適用を受けているときは税額控除限度額に注意
住宅ローン減税を受けている人はふるさと納税の税額控除限度額が少ない可能性がありますので注意が必要です。
例えば、年末のローン残高が3,100万円だった場合、その1%の31万円が税額控除されます。
尚、2022年から新たに住宅を購入した人は0.7%になります。
所得税が28万円だった場合、所得税から税額控除されるのは28万円になります。
所得税から控除しきれない分は住民税(所得割額)から差し引かれることになります。
すなわち、以下の例では住宅ローン減税額は所得税額28万円以上にありますので、所得税で控除しきれない3万円を所得割額から差し引くことになります。
ただし、住宅ローン減税も所得割額から差し引くには上限があり、所得税の課税所得金額の5%が上限とされています。
ふるさと納税の住民税の特例控除は所得割額の2割が限度になりますので、住宅ローン減税の適用を受けている人で、住民税の所得割額が少なくなっている人は、寄付上限額に注意する必要があります。
今回の内容が参考になれば幸いです。