FORCAST関数とTREND関数の違い

FORCAST関数(Excel2016からはFORECAST.LINEAR関数に互換)

FORCAST関数(FORCAST.LINEAR関数)を使用すると、既存の値(既知のx及びy)から将来の値(y)を予測することができます。

構文

FORCAST(X, 既知のy, 既知のx)
FORCAST.LINEAR(X, 既知のy, 既知のx)

引数

引数説明
x結果系の数値(y)を予測するのに必要な原因系の数値を入力します。
既知のy既知の結果系の数値が入力されたセル範囲または配列を指定します。
既知のX結果系の数値を予測するのに必要な原因系の数値について既知のものが入力されたセル範囲または配列を指定します。
既知のXの配列には1つの変数の系列を指定することができます。

手順

上の2006年から2020年の売上実績から黄色いセルの2021年から2025年の売上予測を算出してみます。

セル範囲$B$2:$P$2に入力された原因系の数値である2006~2020(年)、及びセル範囲$B$3:$P$3に入力された売上実績から2021年の売上予測を求める場合、以下のように入力します。

=FORECAST(Q2,$B$3:$P$3,$B$2:$P$2)

セルQ4に戻り値として「84,643」が返されました。

セルをコピーすると、 黄色いセルの2021年から2025年の売上予測を算出することができました。

TREND関数を用いてもFORCAST関数(FORCAST.LINEAR関数) と同じことができる

これまでの作業をTREND関数を用いてもできます。

TREND関数(FORCAST.LINEAR関数)を使用すると、既存の値(既知のx及びy)から将来の値(y)を予測することができます。

構文

TREND(既知のy, 既知のx, [新しいX], [切片])

引数

引数説明
既知のy既知の結果系の数値が入力されたセル範囲または配列を指定します。
[既知のX]結果系の数値 (y) を予測するのに必要な原因系の数値について既知のものが入力されたセル範囲または配列を指定します。
既知のXの配列には1つまたは複数の変数の系列を指定することができます。
[新しいX] 結果系の数値を予測するのに必要な原因系の数値を入力します。
既知のXと同じ系列数を指定します。
[切片] y=ax+bの切片bをTRUEかFALSEで指定します。
TRUEもしくは省略をすると、bの値が計算されます。
FALSEにするとbの値が0になり、y=axとなるようにaが設定されます。

手順

上の2006年から2020年の売上実績から黄色いセルの2021年から2025年の売上予測を算出してみます。

セル範囲$B$2:$P$2に入力された原因系の数値である2006~2020(年)、及びセル範囲$B$3:$P$3に入力された売上実績から2021年の売上予測を求める場合、以下のように入力します。

=TREND($B$3:$P$3,$B$2:$P$2,Q2)

尚、切片は省略をしています。

セルQ5に戻り値としてFORCAST関数を用いた場合と同じ結果の「84,643」が返されました。

セルをコピーすると、 黄色いセルの2021年から2025年の売上予測を算出することができました。

全ての結果が FORCAST関数を用いた場合と同じ結果であることがわかります。

FORCAST関数とTREND関数の違い

それでは、FORCAST関数とTREND関数の違いは何でしょうか?

先程までの例は結果系の数値 (y) に対して原因系の数値(x)は一つでした。

これを単回帰分析といいます。

一方で、TREND関数を用いれば、結果系の数値 (y)を予測するのに必要な原因系の数値(x)が複数存在する回帰分析(重回帰分析)も可能になります。

例えば、以下の例のように、結果系の数値 (y) である売上を予測するのに、A事業、B事業、C事業と原因系の数値(x)が複数存在する場合が挙げられます。

上の2006年から2015年の売上実績から黄色いセルの2016年から2020年の売上予測を算出してみます。

2006年から2015年の売上実績をさらに分解するとA事業とB事業とC事業に売上実績に分けられることが分かっているものとします。

セル範囲$B$7:$K$9に入力された原因系の数値である2006~2015年の事業別売上、及びセル範囲$B$3:$K$3に入力された売上実績から2016年の売上予測を求める場合、以下のように入力します。

この際、 [新しいX] には原因系の数値として、結果系の数値を予測するのに必要な2016の事業別売上を指定する必要があります。

=TREND($B$3:$K$3,$B$7:$K$9,L7:L9)

尚、切片は省略をしています。

セルL4に戻り値としてFORCAST関数を用いた場合と同じ結果の「71,890」が返されました。

セルをコピーすると、 黄色いセルの2016年から2020年の売上予測を算出することができました。

重回帰分析の場合、既知のxの個数が既知のyの個数の2倍以上の整数倍になることがわかります。

Excelを一度体系的に学ぶと、目に見えて生産性が飛躍的に向上します。

MOS Excel※は資格の取得、及び資格取得までのプロセスを通じて体系的にExcelスキルを身につけることができますのでコスパが良くおすすめです。

※Microsoft Office Specialist(MOS)ExcelはExcelの利用能力を証明する世界的な資格です。

筆者は「スペシャリスト(一般)」と「エキスパート(上級)」両方を取得して体系的にスキルを身に着けました。

MOS試験対策でどのテキストを使うべきか悩まれる方も多いのではないかと思いますが、以下がおすすめです。

今回の内容が参考になれば幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA