個別株のセクター分類が情報サイトによって異なる

セクターの表記の違い

銘柄の情報を調べていると意外にセクターの表記がバラバラだったりします。

以下は筆者の保有銘柄で、よく使う情報サイトで何のセクターに分類されていたのかをまとめています。

TickerNameBloomberg MarketsYahoo financeMorningstarTrading View
ADMArcher-Daniels-Midland CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveProcess Industries
ADPAutomatic Data Processing, Inc.TechnologyIndustrialsIndustrialsTechnology Services
CLColgate-Palmolive CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
JNJJohnson & JohnsonHealth CareHealthcareHealthcareHealth Technology
KOThe Coca-Cola CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
MCDMcDonald’s CorporationConsumer DiscretionaryConsumer CyclicalConsumer CyclicalConsumer Services
MDTMedtronic plcHealth CareHealthcareHealthcareHealth Technology
MMM3M CompanyIndustrialsIndustrialsIndustrialsProducer Manufacturing
PGThe Procter & Gamble CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
SPGIS&P Global Inc.TechnologyFinancial ServicesFinancial ServicesTechnology Services
ULUnilever PLC ADRConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
VVisa Inc.TechnologyFinancial ServicesFinancial ServicesFinance
XOMExxon Mobil CorpEnergyEnergyEnergyEnergy Minerals

Yahoo financeとMorningstarが同じセクターの表記になっており、BloombergとTrading Viewがそれぞれ異なったセクターの表記になっています。

青字のセクターに注目するとConsumer Staples(生活必需品)=Consumer Defensive(消費・ディフェンシブ)で、これらはTrading Viewでは少なくともConsumer Non-Durables(消費・非耐久財)やProcess Industries(プロセス産業)に分けられることが分かります。

また赤字のセクターに注目すると、同じセクターに対して表現方法が異なるというものではなく、そもそも分類されているセクターが全然違うということがあります。

例えば、VISAは決済サービスを使用することにより得られるサービス料やデータ処理(承認、清算、決済、ネットワークアクセス、その他の保守およびサポート)、国際取引、コンシェルジュサービスなどが収益源だったりします。

フィンテックという言葉があるように、その事業領域は金融からテクノロジーに跨りますので、どちらのセクターに分類するのかは情報サイトによって扱いが異なっていることを表しています。

一般的なセクター分類方法

米国株ではGICSかICBでセクター分類されることが多いようです。

GICSについては以下、野村證券の解説を引用します。

Global Industry Classification Standardの略称で、日本語では世界産業分類基準。1999年に米国の格付け会社であるS&Pと機関投資家向けに指数や分析ツールを提供するMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が共同開発した産業分類のこと。世界の産業を11のセクター、24の産業グループ、69の産業、158の産業サブグループに分類している。世界中の金融機関で標準化されており、投資信託や企業分析で業種分類する際に多用されている。

野村證券

ICBはIndustry Classification Benchmarkの略称で、日本語では業界分類ベンチマークといいます。ダウジョーンズおよびFTSE (現FTSEインターナショナル)によって2005年に作られたセクター分類です。 ICBは11の産業、20のスーパーセクター、45のセクター、173のサブセクターに分けられます。

以下は、GICSの11のセクターとICBの11の産業を比較したものになりますが、ほぼ同じ分類になっていて、素材と情報技術セクターの表記に微妙な違いがあるのみです。

GICS分類日本語ICB分類日本語
Consumer Discretionary一般消費財Consumer Discretionary一般消費財
Consumer Staples生活必需品Consumer Staples生活必需品
EnergyエネルギーEnergyエネルギー
Materials素材Basic Materials素材
Industrials資本財Industrials資本財
HealthcareヘルスケアHealthcareヘルスケア
Financials金融Financials金融
Information Technology情報技術Technology情報技術
Real Estate不動産Real Estate不動産
Communication Services通信サービスTelecommunications情報通信
Utilities公益事業Utilities公益事業

各情報サイトが使用しているセクター分類

各情報サイトはどのセクター分類を使用しているのかを確認していきます。

再掲になりますが、筆者が保有している銘柄の情報サイト別のセクター分類は以下のようになりました。

TickerNameBloomberg MarketsYahoo financeMorningstarTrading View
ADMArcher-Daniels-Midland CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveProcess Industries
ADPAutomatic Data Processing, Inc.TechnologyIndustrialsIndustrialsTechnology Services
CLColgate-Palmolive CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
JNJJohnson & JohnsonHealth CareHealthcareHealthcareHealth Technology
KOThe Coca-Cola CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
MCDMcDonald’s CorporationConsumer DiscretionaryConsumer CyclicalConsumer CyclicalConsumer Services
MDTMedtronic plcHealth CareHealthcareHealthcareHealth Technology
MMM3M CompanyIndustrialsIndustrialsIndustrialsProducer Manufacturing
PGThe Procter & Gamble CompanyConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
SPGIS&P Global Inc.TechnologyFinancial ServicesFinancial ServicesTechnology Services
ULUnilever PLC ADRConsumer StaplesConsumer DefensiveConsumer DefensiveConsumer Non-Durables
VVisa Inc.TechnologyFinancial ServicesFinancial ServicesFinance
XOMExxon Mobil CorpEnergyEnergyEnergyEnergy Minerals

Bloombergは情報技術セクターで「Technology」と記載しており、保有銘柄以外でも情報技術セクターを調べたところApple Inc.(AAPL)やMicrosoft Corporation(MSFT)では「Technology」と記載されていたことからICBを採用しているものと思われました。

しかし、Linde PLC(LIN)やNewmont Corporation(NEM)などの素材株を調べてみたところセクターの表記が「Materials」となっていたことから、GICSの11のセクターとICBの11の産業の記載が入り混じっているということが分かりました。

しかし、Bloombergのセクター分類が一番国際標準の分類方法に近いというのが今回の結論になります。

一方で、同じ分類方法であったYahoo financeとMorningstarや、Trading Viewのセクター分類基準は何を使っているのかはよく分かりませんでした。

以下はICBの20のスーパーセクターを示しています。

産業スーパーセクター
Consumer DiscretionaryAutomobiles and Parts
Consumer DiscretionaryConsumer Products and Services 
Consumer DiscretionaryMedia
Consumer DiscretionaryRetailers 
Consumer DiscretionaryTravel and Leisure
Consumer StaplesFood,Beverage andTobacco
Consumer StaplesPersonal Care, Drug and Grocery Stores
EnergyEnergy
Basic MaterialsBasic Resources
Basic MaterialsChemicals
IndustrialsConstruction and Materials
IndustrialsIndustrial Goods and Services
HealthcareHealthcare
FinancialsBanks
FinancialsFinancial Services
FinancialsInsurance
TechnologyTechnology
Real EstateReal Estate
TelecommunicationsTelecommunications
UtilitiesUtilities

Yahoo financeとMorningstarで金融セクターの銘柄ではFinancial Servicesという記載だったので、ICBの11の産業分類ではなく20のスーパーセクターを基準に分類しているのではないかと思いましたが、他のセクターの記載方法がスーパーセクターの記載方法と一致しませんし、さらにその下層の45のセクター、173のサブセクターとも記載方法が異なっていましたので、ICBの分類とも違っていそうです。

Trading Viewは20セクターに分類されていましたので、セクター数が同じICBのスーパーセクターと一致するかどうか検証しましたが、以下のようにセクターの記載や分け方が異なっていました。

ICBの産業分類ICBのスーパーセクターTrading Viewの20セクター
Consumer DiscretionaryAutomobiles and PartsCommercial Services
Consumer DiscretionaryConsumer Products and Services Communications
Consumer DiscretionaryMediaConsumer Durables
Consumer DiscretionaryRetailers Consumer Non-Durables
Consumer DiscretionaryTravel and LeisureConsumer Services
Consumer StaplesFood,Beverage andTobaccoDistribution Services
Consumer StaplesPersonal Care, Drug and Grocery StoresElectronic Technology
EnergyEnergyEnergy Minerals
Basic MaterialsBasic ResourcesFinance
Basic MaterialsChemicalsHealth Services
IndustrialsConstruction and MaterialsHealth Technology
IndustrialsIndustrial Goods and ServicesIndustrial Services
HealthcareHealthcareMiscellaneous
FinancialsBanksNon-Energy Minerals
FinancialsFinancial ServicesProcess Industries
FinancialsInsuranceProducer Manufacturing
TechnologyTechnologyRetail Trade
Real EstateReal EstateTechnology Services
TelecommunicationsTelecommunicationsTransportation
UtilitiesUtilitiesUtilities

まとめると、BloombergはGICSかICBの基準に基づいてセクター分類がされていそうですが、Yahoo finance、Morningstar、Trading Viewは独自の表現となっており、GICSかICBの基準に読み替える必要がありそうです。

情報サイトのセクター分類の妥当性

ADPやV、SPGIは同じセクターに対して表現方法が異なるというものではなく、そもそも分類されているセクターが情報サイト毎に全然違う結果でした。

最後にどの情報サイトの分類が有力か確認しました。

今回はADPやV、SPGIがどのセクターETFに含まれているかを確認しました。

ADPは情報技術セクターETFのXLK(SPDR)、VGT(バンガード)に含まれていました。

ですので、セクターETFを基準にするとBloombergとTrading Viewが参考になりそうです。

ADPが含まれているETFは以下の記事を参考にしてください。

SPGIは金融セクターETFのXLF(SPDR)、VFH(バンガード)に含まれていました。

ですので、セクターETFを基準にするとYahoo finance、Morningstarが参考になりそうです。

SPGIが含まれているETFは以下の記事を参考にしてください。

Vは情報技術セクターETFのXLK(SPDR)、VGT(バンガード)に含まれていました。

ですので、セクターETFを基準にするとBloombergが参考になりそうです。

Vが含まれているETFは以下の記事を参考にしてください。

セクターをまたがるような事業展開をしている企業は、どのセクターETFに組み込まれているかを調べると、セクター分類の目安になるかもしれません。

今回の内容が参考になれば幸いです。

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