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グローバルX S&P500配当貴族ETF vs Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)の比較
かねてより待ち望んでいた、経費率が低いS&P 500配当貴族指数に連動する投資信託が昨年から今年の頭にかけて設定されました。
筆者個人的には、ETFの方を待ち望んでいました。
今回はグローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)とTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)について解説をします。
以下が2つを比較したものになります。
グローバルX S&P500配当貴族ETF(2236)は上場投資信託(ETF)でTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)は投資信託になります。
国内にはこの他にもS&P 500配当貴族指数に連動する投資信託がありますが、現状最も経費率が低いETF及び投資信託が以下の2つになりますので、以下の2つに絞って紹介をさせていただきます。
Ticker | 2236 | TrSP配貴 |
---|---|---|
名称 | グローバルX S&P500配当貴族ETF | Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式) |
連動指数 | S&P 500配当貴族指数 | S&P 500配当貴族指数 |
投資対象資産 | ETF(上場投資信託) | 投資信託 |
基準価額 (円) | 99,924 (2023/1/12) | 9,399 (2023/1/12) |
最低購入金額 (円) | 999 (2023/1/12) | 1円以上1円単位 |
売却単位 | 1口 | 1口 |
純資産総額 (米ドル) | 1.99億円 (2023/1/12) | 53.94億円 (2023/1/12) |
設定日 | 2023/1/11 | 2022/10/28 |
分配頻度 | 年6回 毎年1,3,5,7,9,11月 | |
経費率 | 0.3025% | 0.1155% |
S&P 500配当貴族指数とは
S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスの株価指数で以下がその定義です。
- S&P500組入銘柄
- 25年以上連続増配
- 一定以上の企業規模であること(最低浮動株調整後時価総額が30億ドル以上)
- 流動性が高いこと(3ヶ月間の1 日当たり平均売買代金が 500万ドル以上)
構成銘柄数 | 65銘柄程度 |
構成銘柄入れ替え | 年1回 前年の配当実績をもとに、毎年1月に実施 |
重み付け | 均等 |
リバランス | 年4回 |
配当貴族銘柄
配当貴族銘柄については以下の記事で定期的に更新していますので参考にしてください。

グローバルX S&P500配当貴族ETFの経費率を高いと考えるか?
ではグローバルX S&P500配当貴族ETF vs Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)の2つをどのような基準で選んだら良いでしょうか?
以下にまとめてみました。
①分配金を受け取り、かつ増配を期待して日々生活に余裕が生まれることを体感したい場合
⇨グローバルX S&P500配当貴族ETF
S&P500配当貴族銘柄は25年以上連続増配した実績のある企業群ですので、今後の分配金の成長も期待できます。
グローバルX S&P500配当貴族ETFは年6回の分配頻度になっています。
現時点で2重課税調整対象のETFかどうかは不明です。
②25年以上増配実績がある優良企業に絞り込むことで、効率の良い資産の成長を期待したい場合
⇨Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)
尚、S&P500配当貴族指数は長期的にS&P500をアウトパフォームしたというのが過去の実績です。
25年以上増配実績がある優良企業に絞り込むことで、S&P500よりも成長を期待するならば、投資対象となります。

以下は青が配当貴族指数に連動する米国ETF(NOBL)、赤がS&P500に連動する米国ETF(SPY)の資産成長を2014年から2022年までの期間でポートフォリオビジュアライザーを使い、バックテストした結果です。
S&P500配当貴族指数は長期的にはS&P500をアウトパフォームする可能性があるかもしれませんが、切り取る時期によっては以下のようにS&P500に劣後する可能性もあります。

25年以上連続増配した企業群の詰め合わせパックに対して、S&P500よりも値上がりを期待するならば投資信託、値上がりよりも毎年分配金を増やしてくれることを期待するならばETFを選択すると良いでしょう。
連続増配をしている企業群には成熟企業が多いですが、連続増配し続けられるような安定成長が見込まれる点と、配当の再投資を考慮すると、トータルリターンでS&P500をアウトパフォームしてもおかしくはありません。
S&P500よりも値上がりを期待するわけでもなく、分配金も受け取らずに自動的に再投資をしたい人はS&P500の投資信託を買うだけで十分でしょう。
S&P500よりも値上がりを期待するわけでもなく、分配金も受け取らずに自動的に再投資をしたい人が他にTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)を保有する動機があるとすれば、S&P500と分散させるために保有するケースでしょうか。
以下のように株価が下落する局面ではS&P500配当貴族インデックスはS&P500よりも下落が抑えられていることがわかります。

S&P500配当貴族インデックスに含まれている銘柄は全てS&P500にも含まれている銘柄ですが、インデックスで大きなウェイトを占めている銘柄が異なりますので、ディフェンシブ銘柄で構成されたS&P500配当貴族インデックスは下落局面でディフェンシブ力を発揮してくれることが期待されます。
そのため、S&P500とセットで保有することは悪くないでしょう。
③グローバルXS&P500配当貴族ETFの経費率を高いと考える場合
⇨Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)
グローバルX S&P500配当貴族ETFの経費率は0.3025%とS&P500に連動するETFと比較すると高いと感じるかもしれません。
また、同じ指数に連動する投資信託のTracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)なら経費率を1/3に抑えることができます。
グローバルX S&P500配当貴族ETFの経費率0.3025%を高いと考えるかどうかですが、米国のS&P 500 Dividend Aristocrats ETF(NOBL)の経費率は0.35%なので、配当貴族インデックスに連動するETFはこれぐらいかかってもおかしくないのかなと感じています。
今回の内容が参考になれば幸いです。